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キャリア支援の仕事にはどんな種類がある?職種と自分に合う選び方を解説

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キャリア支援の仕事にはどんな種類がある?職種と自分に合う選び方を解説

キャリア支援の仕事と聞いて、思い浮かぶのはキャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントくらいで、ほかにどんな種類があるのか分からない。そんなふうに感じていませんか。

今の経験を別の形で活かしたい人も、これから目指す人も、全体像が見えないと選びようがないものです。

結論から言うと、キャリア支援の仕事は、民間の人材サービス、企業の中、公的機関、教育機関、福祉・就労支援、独立の6つの領域に広がっています。

資格が必須の仕事は少なく、国家資格が必要になるのは「キャリアコンサルタント」と名乗る場合だけ。今の経験は、隣の領域へ広げやすい傾向があります。

この記事では、領域ごとの職種、必要な資格、収入と働き方、経験を活かす道、自分に合う仕事の選び方、大変なところまで解説します。

目次
  1. キャリア支援の仕事とは
  2. キャリア支援の仕事の種類
  3. 人材サービスの仕事
  4. 企業の中の仕事
  5. 公的機関の仕事
  6. 教育機関の仕事
  7. 福祉・就労支援の仕事
  8. 独立・フリーランスの仕事
  9. 必要な資格
  10. 収入と働き方
  11. 経験を活かす道
  12. 自分に合う仕事の選び方
  13. 大変なところと続け方
  14. よくある質問
  15. まとめ
  16. ポジウィルコーチングスクールで、寄り添い、引き出す支援を学びませんか

キャリア支援の仕事とは

キャリア支援の仕事とは、人の仕事や進路、職業生活の設計を支える仕事のことです。

就職や転職の相談に乗る、学ぶ内容を一緒に考える、働き続けるための悩みを聞くなど、関わり方はさまざま。相談者が自分で選べるように支える点は、どの職種にも共通しています。

関わる相手によって、大きく2つに分かれます。ひとつは、求職者や学生、社員といった個人を支える仕事。もうひとつは、企業や学校を通じて、制度や育成の仕組みを整える仕事です。両方を兼ねる職種も、少なくありません。

仕事を整理するには、働く場所で分けるのが分かりやすいでしょう。民間の人材サービス、企業の中、公的機関、教育機関、福祉・就労支援、独立の6つの領域です。

同じ「相談」でも、領域によって相手も目的も違ってきます。図1に、領域と主な職種をまとめました。

領域が違えば、必要な資格や働き方も変わります。次の章で、全体を表にして比べてみましょう。

キャリア支援の仕事の種類

領域ごとの違いを、主な職種、働き方、資格の要否で比べると、次の表のようになります。職種によって条件が異なるため、表は目安として見てください。

領域

主な職種

主な働き方

資格の要否

人材サービス

キャリアアドバイザー、コーディネーター、再就職支援、研修の講師・企画

民間企業の社員

必須でない職種が多い

企業の中

人事・育成担当、社内の相談担当、人事・組織コンサルタント

企業の社員、社外のコンサルタント

必須でない職種が多い

公的機関

ハローワークの職業相談員、若者の就労支援員、キャリア相談員、職業訓練指導員

公的機関や委託先の職員

職業訓練指導員は免許が必要。ほかは職種で異なる

教育機関

大学のキャリアセンター職員、進路指導・キャリア教育の担当

学校の職員、教員

進路指導は教員が担うのが一般的

福祉・就労支援

就労支援員、ジョブコーチ、障害者職業カウンセラー

事業所や専門機関の職員

職種や機関で異なる

独立

独立したキャリアコンサルタント、キャリアコーチ、セミナー講師

個人事業、業務委託

必須でない。名乗る場合は国家資格

表から読み取れるのは、資格が条件になる職種が限られることです。一方で、働き方は大きく分かれます。社員として働く職種もあれば、契約や委託で働く職種もあるため、仕事を選ぶ際は、職種名とあわせて働き方も見ておくと安心でしょう。

人材サービスの仕事

人材サービスの領域は、求職者と企業をつなぐ民間の仕事です。キャリア支援の仕事として最も知られており、経験者が次の仕事を考える出発点にもなるでしょう。紹介が中心の職種もあれば、就業後や集団への支援まで担う職種もあり、関わる範囲に違いがあります。

キャリアアドバイザー|求職者と企業をつなぐ

キャリアアドバイザーは、人材紹介会社などで求職者の話を聞き、求人を紹介し、応募書類や面接の準備をサポートする仕事です。企業との条件の調整も担います。

特別な資格は必須ではなく、面談の技術と、求人や市場についての知識が実務の中心になるでしょう。

押さえておきたいのは、収益の仕組みです。有料の職業紹介は許可制の事業で、求職者から手数料を受け取ることは原則できません。

企業から受ける手数料が収入源となるため、紹介の実績に目標が置かれる場合が多い傾向です。

相談者に合う仕事を考えることと、組織の目標との折り合いは、この職種ならではの課題といえます。

コーディネーター|就業とその後を支える

コーディネーターは、人材派遣などのサービスで、求職者と企業の間に立つ仕事です。

仕事の紹介だけでなく、就業条件の調整や、働き始めたあとのフォローまで担います。キャリアアドバイザーと近い職種ですが、就業後の関わりが長い点が特徴でしょう。

この職種は、会社によって呼び名も仕事の範囲も異なります。募集要項を見るときは、職種名だけで判断せず、紹介が中心なのか、就業後のフォローまで含むのかを確認してください。

必要な資格も会社ごとに違い、キャリアコンサルタントなどの資格が評価される場合もあります。

再就職支援|離職する人の次の一歩を支える

再就職支援は、企業の依頼を受けて、離職する社員や異動の対象となる社員が次の仕事に移れるよう支える仕事です。

個別の面談で気持ちと経歴を整理し、応募書類や面接の準備を手伝います。あわせて、セミナーで進め方を伝えることも多いでしょう。

相談者は、自分で選んだわけではない状況に置かれている場合があります。転職を前向きに考えられる人ばかりではありません。

まず気持ちの整理から始めるなど、相手の状態に合わせる力が求められます。相手の立場を想像しながら、焦らせずに進める姿勢が信頼につながるでしょう。

研修の講師・企画|集団に学びを届ける

研修の講師・企画は、企業や学校向けに、キャリアや働き方をテーマにした研修を設計し、進行する仕事です。対象は新入社員、若手、管理職、定年前の社員などさまざまで、目的に合わせて内容を組み立てていきます。

個別の面談とは、必要な力が異なります。ひとりの話を深く聞く力に加えて、参加者全体の様子を見ながら進行する力や、学びを持ち帰れる構成を考える力が要るのです。

キャリア支援経験者が、集団への支援へ広げる選択肢にもなるでしょう。

また、講師として独立する道もあります。その場合、研修の目的を依頼主と詰める打ち合わせも、大切な仕事の一部です。

企業の中の仕事

企業の中の領域は、社員のキャリアに社内から関わる仕事です。社員一人ひとりの希望と、組織の目的の両方を見る立場にあります。人事の経験を持つ人にとって、最も身近な領域といえるでしょう。

人事・育成担当|社内のキャリア形成を支える

人事・育成担当は、配置や異動、評価、研修の企画といった仕組みを通じて、社員のキャリア形成を支える仕事です。

キャリア面談の運用を担う企業もあります。相談を受ける役割だけでなく、相談が生まれる仕組みを整える役割も持つのが特徴でしょう。

個人の希望と組織の都合が一致しないとき、板挟みになりやすい立場でもあります。だからこそ、社員が安心して話せる関係と、会社の方針を伝える誠実さの両立が欠かせません。

社内の面談を進めるコツは、以下の記事で解説しています。人事の経験があると、他の領域でも説得力のある支援につながります。

関連記事:社内のキャリア面談の進め方|社員の意欲を引き出し、行動まで導くコツ

社内のキャリアコンサルタント・産業カウンセラー|面談で社員を支える

企業によっては、キャリアコンサルタントや産業カウンセラーが、社員の面談を担います。人事と兼ねる場合もあれば、相談室の専任という場合もあるでしょう。

仕事や進路の相談から、職場の人間関係、心の健康まで、相談の幅は広めです。

産業カウンセラーは、日本産業カウンセラー協会が認定する資格で、メンタルヘルス対策、キャリア形成、職場の人間関係などを支える役割を持つとされています。

国家資格のキャリアコンサルタントとは別の資格です。どちらが必要かは企業によって違うため、募集内容を見て判断しましょう。

社内の相談役は、社員との信頼関係が土台になる仕事です。

人事・組織コンサルタント|制度や育成を設計する

人事・組織コンサルタントは、社外の立場から、企業のキャリア開発の制度や育成の仕組みづくりを支援する仕事です。

社員の面談を直接行うよりも、制度の設計や、運用する人事担当者の支援が中心になります。

個人を支える仕事から、組織を支える仕事へ視点を移すことになるため、企業の課題を整理する力や、提案をまとめる力が求められます。人事や育成の実務を経験した人は、その経験が説得力になりやすい領域でしょう。

コンサルティング会社に所属する形と、個人で受ける形があり、働き方は職場によって異なります。依頼する企業の規模や課題も、案件ごとにさまざまでしょう。

公的機関の仕事

公的機関の領域は、国や自治体の事業として、誰でも使えるキャリアの支援を担う仕事です。相談は原則無料で提供されるため、さまざまな状況の人が訪れるでしょう。職員の立場は機関や事業によって異なり、国や自治体の職員のほか、運営を委託された民間団体の職員もいます。

ハローワークの職業相談員|就職を支える

ハローワークでは、職業相談を通じて、希望条件の整理、求人探し、応募書類の作成、面接の準備までを支援しています。なかには、若者向け、新卒者向け、子育て中の女性向けなど、対象を絞った窓口が設けられている場合もあります。

仕事の特徴は、相談者の幅が広いこと。年齢も経歴も状況も異なる人に、一人ひとりに合う求人と支援を組み合わせて伝えます。

職業訓練の案内など、制度の知識も欠かせません。雇用形態は募集ごとに異なるため、応募時に契約の期間や更新の条件を確認しましょう。

若者の就労支援員|働くことに悩む若者を支える

地域若者サポートステーションは、働くことに悩みを抱える15〜39歳の若者を対象に、就職までの支援を行う機関です。

キャリアコンサルタントなどによる相談や、職場体験などの支援があり、民間団体が運営を担っています。

ここでの支援員は、すぐに就職の話をするよりも、働くことへの不安や自信のなさに寄り添うところから始める場合が多くなります。

履歴書の書き方より前に、人と話す練習が必要な人もいるでしょう。時間をかけて変化を待つ姿勢が求められる仕事です。

事業ごとに運営団体が異なるため、募集の条件も運営団体ごとに確認してください。若者の状況を長い目で見られる人に向いています。

キャリア相談員|在職者の学び直しを支える

厚生労働省の事業として、働く人が無料でキャリアコンサルティングを受けられる窓口があります。

自分の経験や強みを整理し、学び直しや今後の働き方を考える相談が中心で、職務経歴などをまとめるジョブ・カードの作成も支援しているのが特徴です。

求職者向けのハローワークと比べて、在職中の人が多い点が違いでしょう。転職したいわけではないが今の働き方に迷う、という相談も多く寄せられます。

キャリアコンサルタントの資格を持つ相談員が面談を担う窓口もあり、面談の力が直接問われる仕事です。窓口は委託先によって運営されるため、募集も委託先ごとに確認してください。

職業訓練指導員|就職に必要な技能を教える

職業訓練指導員は、公共の職業能力開発施設などで、在職者、求職者、学校を卒業した人に、技能の指導と就職の支援を行う仕事です。

相談を受けるのではなく、技能を教えることで就職を支える点が、ほかの職種と異なります。

採用には職業訓練指導員免許が必要で、免許は都道府県の試験に合格するなどして取得します。

専門の技術や技能を持つ人が、それを教える立場になれる道といえます。キャリア支援の入口が、相談以外にもあることを示す例でしょう。教える仕事に関心がある人にとっては、有力な選択肢のひとつです。

教育機関の仕事

教育機関の領域は、学生や生徒が自分の進路を考える時期に関わる仕事です。進路の最初の選択を支えるため、長い目で見て影響が大きい領域でしょう。大学の職員と、中学・高校の教員とで、立場が大きく異なります。

大学のキャリアセンター職員|学生の就職活動を支える

大学のキャリアセンターは、学生の就職活動や進路の相談に応じる窓口です。

個別の面談、エントリーシートの添削、ガイダンスの開催、企業との連携、キャリア教育の授業の支援などを担うのが役割でしょう。多くの大学が、就職支援の体制を学内に置いているのが実情です。

学生は、働くことのイメージがまだ描けていない段階にいます。就職先を決める手伝いだけでなく、何を大事にして選ぶのかを一緒に考える時間が中心になるでしょう。

企業の採用動向を知る力と、学生の話を聞く力の両方が役立ちます。職員の雇用形態は大学ごとに異なるため、応募の前に、契約や勤務の条件を確認しましょう。

進路指導・キャリア教育の担当|生徒の進路を支える

中学校や高校では、進路指導やキャリア教育を、教員が担当するのが一般的です。進学や就職の相談、職業を知る体験活動、授業での進路学習などを通じて、生徒が自分の将来を考える機会をつくります。

この仕事に就くには、教員として採用されることが前提となります。そのため、民間の経験者が直接なる道は限られるでしょう。

ただ、外部の講師として授業や講演に関わったり、キャリア教育の支援団体で働いたりする形なら、教員でない人にも道が開けています。

学校の事情を知る教員経験者は、民間や公的機関で活躍する選択肢も持てるはずです。生徒の可能性を広げる役割は、教員にとっても大きなやりがいになるでしょう。

福祉・就労支援の仕事

福祉・就労支援の領域は、障害のある人が働くことを支える仕事です。仕事に就くことだけでなく、働き続けることまでが支援の対象になります。キャリア支援の専門性が生きる、奥の深い領域でしょう。

就労支援員|障害のある人の就職を支える

就労支援員は、就労移行支援などの事業所で、障害のある人の就職を支える仕事です。

就労移行支援は、一般企業への就職を希望する65歳未満の障害のある人が対象で、利用できる期間は標準で24か月とされ、訓練、求職活動、就職後の定着の支援を、段階に沿って進めていくのが基本でしょう。

一人ひとりの特性に合わせて、仕事の探し方や職場での伝え方を一緒に考える点が特徴です。事業所には就労支援員を置く基準が定められています。必要な資格は事業所ごとに異なるため、募集要項で確認しましょう。

福祉の知識に加えて、企業との関係づくりも重要な役割です。本人と企業の双方を理解する姿勢が欠かせません。

ジョブコーチ|職場での定着を支える

ジョブコーチは、障害のある人が働く職場に入り、本人と事業主の両方を支援する仕事です。仕事の覚え方を一緒に考える、職場の人への伝え方を助言するなど、働き続けるための調整を行います。

支援の期間は、標準で2〜4か月とされ、長くは続きません。目的は、職場の人が自然に支えられる状態へ移行することです。

支援する側が離れても本人が安心して働ける状態をつくるのが、この仕事の考え方といえます。地域障害者職業センターに配置される場合のほか、福祉の事業所に所属する形もあり、所属によって条件は異なるでしょう。職場の人を巻き込む力が試されます。

障害者職業カウンセラー|職業リハビリテーションを担う

障害者職業カウンセラーは、高齢・障害・求職者雇用支援機構が設置する専門機関で働く職員です。

本人との面談や各種の検査をもとに、職業の準備を支える計画を立てます。ジョブコーチ支援の計画づくりや、企業への助言も役割のひとつでしょう。

民間の事業所とは違い、機関の職員として採用される職種です。就職したい本人だけでなく、受け入れる企業への働きかけも仕事に含まれる点で、キャリア支援の中でも専門性が高い領域といえます。

採用の条件や試験の内容は、機関の募集案内で確認してください。障害のある人の働き方を、制度と実務の両面から支える仕事でしょう。

独立・フリーランスの仕事

独立・フリーランスの領域は、組織に属さず、個人の力で仕事をつくる形です。経験者が次に目指しやすい選択肢である一方、収入や仕事の量は自分で調整することになるでしょう。会社員のまま、副業から始める人もいます。

独立したキャリアコンサルタント|個人と企業を支える

独立したキャリアコンサルタントは、個人の相談を受けるほか、企業と契約して社員の面談を担う仕事です。

企業と年間契約を結んで活動する例もあります。セミナーの講師や、キャリア教育の授業を受け持つこともあるでしょう。

収入は、仕事の取り方で大きく変わります。資格を取れば自然に仕事が来るわけではなく、企業や自治体とのつながり、紹介を受ける関係を自分でつくる必要があるのです。

具体的な動き方は、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。独立前に、小さな実績を積んでおくと安心です。

関連記事:キャリアコンサルタントの副業は可能?仕事内容・収入・始め方を解説

関連記事:キャリアコンサルタントを活かせる仕事とは?領域別の仕事内容と選び方

キャリアコーチ|対話で行動を支える

キャリアコーチは、コーチングの手法を使い、個人が目標を決めて行動に移すまでを支える仕事です。

質問を重ねて本人の考えを引き出し、次の一歩を一緒に決めていきます。相談者が自分の言葉で答えを見つけられるように関わる点が特徴でしょう。

働き方は、個人で開業する、コーチングのサービス会社に所属するなどです。名乗るために必須の国家資格はなく、学びの機会や実績が信頼の目安になるでしょう。

そのぶん、自分の関わり方や強みを、相手に伝わる形で示すことが必要です。関わり方の違いは、相談者の目的によって使い分けられます。

なお、キャリアコーチになるための具体的な方法は以下の記事をご覧ください。

関連記事:キャリアコーチになるには?仕事内容や未経験からのなり方・資格・費用・収入を解説

セミナー講師|学びを届ける

セミナー講師は、キャリアや就職活動、働き方をテーマに、企業、学校、自治体などで講演や研修を行う仕事です。

個別の相談ではなく、集団に向けて知識や考え方を伝えます。独立して活動する人もいれば、会社に所属して担当する人もいるでしょう。

特別な学歴や資格が必須とは限りません。ただし、依頼を受けるには、伝えられる内容の専門性と、これまでの実績が問われるでしょう。

面談や人事の経験から得た知見を、分かりやすく整理して語れることが強みになるのです。

講師の仕事は、他の職種と組み合わせて続ける人も多く、面談の経験があるほど話に厚みが出ます。

必要な資格

キャリア支援の仕事に資格が必要かどうかは、職種ごとに違います。必須の資格を持つ人しかなれない仕事は多くありません。それでも、資格が仕事の条件になる職種や、資格があると信頼されやすい職種はあります。

資格の要否|必須の仕事は少ない

資格の位置づけは、3つに分けて考えると整理できます。

1つは、免許や資格が前提になる仕事で、職業訓練指導員や、学校の教員が担う進路指導が当てはまるでしょう。

2つ目は、名乗るために資格が要る場合で、キャリアコンサルタントがこれにあたります。

3つ目は、資格が必須ではない仕事です。民間の人材サービスや企業の人事、独立の多くが含まれるでしょう。

厚生労働省の職業情報提供サイトでも、キャリアコンサルタントの仕事に入るのに特に必要とされる学歴や資格はない、とされているのです。

ただし、職場によっては資格を評価する場合もあるため、募集内容を確認しましょう。迷ったときは、目指す職種の募集要項を先に見るのが近道です。

キャリアコンサルタント|名乗るには国家資格が必要

キャリアコンサルタントは、登録した人だけが名乗れる国家資格で、名称独占です。

資格がなくても、キャリアの相談を受ける仕事そのものは行えるため、資格は必須ではありません。資格が必要なのは、名乗る場面と、資格を条件にする求人に応募する場面です。

受験には、厚生労働大臣が認定する養成講習の修了、相談業務の3年以上の経験、技能検定の合格のいずれかが必要で、登録後は5年ごとの更新があります。

資格を取ってから何をするかによって、価値は大きく変わるでしょう。取る前に考えたい点は、以下の記事で整理しています。費用や期間は、最新の案内で確認してください。

関連記事:キャリアコンサルタントはやめとけ?理由と活かせる人や方法を解説

民間資格・コーチングの学び|補う手段のひとつ

国家資格のほかに、民間の団体が認定する資格や、コーチングを学ぶ講座があります。

産業カウンセラーのように、職場の相談に特化した資格もあれば、コーチングの技法を学ぶ講座もあるでしょう。いずれも、仕事に必須ではなく、不足している力を補う手段のひとつです。

選ぶ際は、資格の名前より、目的に合うかどうかで判断しましょう。面談の技術を磨きたいのか、独立に向けて信頼の目安がほしいのか、特定の分野の知識を深めたいのか。目的が決まると、必要な学びも絞りやすくなるでしょう。

比較の視点は、以下の記事で解説しています。費用と期間は、続けられる範囲で考えたいところです。

関連記事:コーチング資格とは?種類・取得方法・選び方をわかりやすく解説

収入と働き方

収入は、キャリア支援の仕事を考えるうえで、気になる点でしょう。ここでは、厚生労働省の職業情報提供サイトにある数値を、読み方に注意しながら見ていきます。

年収の見方|働き方の平均として読む

出典:厚生労働省の職業情報提供サイト

上図は、「キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント」という職業分類の平均です。キャリアアドバイザーから公的機関の職員まで、働き方の違う人が混ざった数値のため、自分が目指す職種の収入と同じとは限りません。

平均年齢が40代前半という点からは、社会人としての経験を積んでから、この職業に就く人が多い傾向がうかがえます。賃金や労働時間は、勤め先の規模や雇用形態で変わるでしょう。

数値は、おおよその目安として受け取り、個別の求人の条件と合わせて判断するのが安全です。気になる職種があれば、募集の賃金と照らして確かめてください。

有期契約・非正規の仕事|多い領域もある

キャリア支援の仕事には、契約期間が決まっている働き方があります。公的機関や教育機関の相談の仕事では、契約期間や更新の条件が募集ごとに定められている場合も珍しくありません。事業の委託先が変わると、契約が続かなくなることもあります。

もちろん、すべてがそうではなく、正社員として働く人も多い領域です。応募する際は、契約の期間、更新の条件、勤務日数、副業の可否を確認しましょう。

働き方の条件は、仕事の内容と同じくらい、続けやすさに関わります。条件を知っておけば、複数の仕事を組み合わせる設計もしやすくなるはずです。

収入が安定しにくい面があるため、生活の見通しを立てたうえで選びましょう。

求人の見方|領域と地域で異なる

有効求人倍率は、ハローワークに出された求人に基づく数値です。民間の紹介会社や、各機関が独自に出す求人は含まれていません。そのため、この数値だけで「仕事が少ない」と判断するのは早計でしょう。

実際の求人は、領域と地域で大きく変わります。人材サービスは都市部に集まりやすく、公的機関や教育機関は、自治体や学校ごとに募集の時期が決まっていることが多いでしょう。

目指す領域が決まったら、その領域の募集が出る窓口を調べ、継続的に確認していくことが近道になります。地域を絞るかどうかも、働き方を決める条件のひとつです。求人は時期によっても増減するため、数か月単位で動向を追うとよいでしょう。

経験を活かす道

キャリア支援の仕事は、領域をまたいで経験を活かせる傾向があります。面談で話を聞く力や、制度を理解する力は、どの領域でも土台になるためでしょう。ここでは、経験別に、広げやすい道を整理します。

キャリアアドバイザーの経験|企業内や独立にも活きる

キャリアアドバイザーの経験は、多くの面談を重ねて得た聞く力と、市場の知識が強みです。企業の人事や採用の担当、社内のキャリア面談、独立したキャリアコンサルタント、研修の講師など、広げられる先は少なくありません。

紹介を中心とした関わりに限界を感じている人は、相談者の考えを深める面談に重心を移す道があります。企業の中なら、中長期で社員に関われるでしょう。独立するなら、自分の関わり方を選べます。経験の何を持ち出せるのかを書き出してから、次の領域を考えると、方向が見えやすくなるはずです。話を聞いて整理する力は、どの領域でも歓迎されやすい基本の力でしょう。

人事の経験|社外の支援や独立にも活きる

人事の経験は、制度や組織の知識が強みです。評価、配置、育成の仕組みを知っているため、人事・組織コンサルタントや、企業向けのキャリア研修の講師として活かしやすいでしょう。社内の面談経験は、キャリアコンサルタントの資格取得にも役立ちます。

社内の立場では、組織の都合を背負う場面が多くなりがちです。社外の支援者に移ると、より個人の側に立って関われる一方、企業の事情を理解している点が説得力を生みます。社内のキャリア面談の経験があれば、外部の面談でも、企業側の事情を踏まえた助言がしやすくなるでしょう。社内で培った人脈も、独立後の支えになります。

学校・公的機関の経験|民間や福祉にも活きる

学校や公的機関で相談を担ってきた人は、幅広い相談者に対応した経験と、制度の知識を持っています。民間の人材サービスや、福祉・就労支援の領域では、この経験が重宝されることがあるでしょう。

たとえば、若者や学生の支援経験は、就労支援や、若手向けの研修へ広げられます。公的な制度への理解は、企業内でのキャリア支援にも活きるもの。公的機関の仕事は、契約期間が定められている場合もあるため、経験を活かして民間や独立へ移る人もいます。今の職場で身につけた知識を、別の領域の言葉に置き換えてみてください。相談の記録を残す習慣や、関係機関へつなぐ経験も、移った先で生きる力になるでしょう。

複数の領域を組み合わせる

ひとつの領域だけで働く必要はありません。本業を続けながら副業で

相談を受ける、非常勤の仕事を複数持つ、本業の人事と社外の面談を並行するなど、組み合わせる働き方もあります。無理なく始められる選択肢といえるでしょう。

組み合わせることで、領域ごとの違いも体感できます。ただし、勤務先の副業の規定や、体力と時間の配分には注意が必要です。まず小さく始めて、続けられる形を探すのが堅実でしょう。副業としての始め方は、〔キャリアコンサルタント 副業〕で詳しく解説しています。領域を行き来するうちに、自分の強みも見えてきます。収入の柱を分けられる点も、組み合わせる働き方の利点でしょう。

自分に合う仕事の選び方

領域と職種が多いため、選ぶ軸を持っておくと迷いにくくなります。ここでは、誰を支援したいか、どんな関わり方をしたいか、小さく試すか、の3つの軸で整理しましょう。軸を決めると、候補が自然に絞られていきます。

誰を支援したいか|領域で絞る

最初の軸は、支援する相手です。転職を考える社会人なら、人材サービスや公的機関。社員なら企業の中。学生なら教育機関。障害のある人なら、福祉・就労支援。独立すれば、複数の相手から選べます。

相手が決まると、領域が絞れます。選ぶ際は、相手の立場や悩みに、自分がどれくらい関心を持てるかを確かめましょう。過去に自分が助けられた経験や、関わっていて時間を忘れた場面が、手がかりになるでしょう。

相手を決めるのが難しいときは、「関わりたくない相手」から外していく方法もあります。迷ったら、この軸から考え始めるのがおすすめです。相手を想像したときに、力になりたいと思えるかどうかが目安になるでしょう。

どんな関わり方をしたいか|職種で絞る

ふたつ目の軸は、関わり方です。情報を提供して紹介する、面談で考えを深める、研修で教える、制度を設計するなど、同じ領域の中でも関わり方は違います。

たとえば、人と一対一で話すのが好きなら面談、集団に伝えるのが好きなら研修、仕組みを考えるのが好きなら制度の設計が向いているかもしれません。

仕事選びでは、好きな作業の種類を基準にすると、入ってからのずれが小さくなります。領域で絞った中から、関わり方で職種を選ぶ順番がおすすめです。

今の仕事で楽しかった場面を振り返ると、答えが見つかる場合もあるでしょう。迷う場合は、まず一つの関わり方を試し、合うかどうかを確かめてもかまいません。

小さく試す|仕事にするかは後で決める

3つ目は、仕事にする前に、小さく試す方法です。社内で相談役を引き受ける、ボランティアで就職活動の相談に乗る、勉強会に参加する、副業で面談を受けるなど、今の仕事を続けながらできることがあります。

無理に転職する必要はありません。試してみて、人の話を聞く時間が苦にならないか、続けられそうかを確かめてから決めても遅くないでしょう。やってみると、思っていた仕事と違った、という発見もあります。

小さな経験が、領域と職種を選ぶ根拠になるのです。まずは身近なところから、一歩を踏み出してみてください。試した結果、向いていないと分かることも、次の選択につながる大切な収穫です。

大変なところと続け方

キャリア支援の仕事には、やりがいと同時に、大変な面もあります。事前に知っておけば、備えられるでしょう。ここでは、代表的な3つと、それぞれの続け方を紹介します。

感情の負担|疲れやすい

人の悩みや不安を聞き続けるため、感情の負担がたまりやすい仕事です。相談者の状況が厳しいほど、聞く側も影響を受けます。真面目な人ほど、抱え込みがちでしょう。

続けるには、距離の取り方を決めておくことが大切です。相談者の問題を自分のことのように背負わないこと、相談と相談の間に休む時間をつくること、気持ちを話せる相手を持つことが助けになるでしょう。

職場に振り返りの機会があるか、同僚と話せる環境かも、選ぶ際の確認点です。疲れを感じたら、早めに休む判断も仕事のうちといえます。話を聞き終えたあとに、どっと疲れが出ることもあるでしょう。

成果の見えにくさ|評価されにくい場合がある

相談の成果は、すぐには見えにくいものです。考え方の変化や、数年後の選択に表れるため、数字になりにくく、評価されにくい場合があります。自分の仕事に意味があるのか、迷う人もいるでしょう。

続けるには、記録と振り返りが役に立ちます。面談で相談者がどう変わったか、自分がどう関わったかを書き留めておくと、成長の跡が見えるはず。相談者から返ってきた言葉を残しておくのも、支えになります。

評価の基準が数字だけの職場は、仕事の価値と合わないこともあるため、事前に確認しましょう。周囲に成果を説明しにくく、自分の貢献が伝わっていないと感じる場面もあるかもしれません。

数字の目標|相談者の利益とずれやすい

民間の人材サービスなどでは、紹介の人数や成約の数に目標が置かれます。相談者にとって最善の選択が、目標の達成につながらないことも起こり得ます。この折り合いに悩む人は、少なくありません。

続けるには、自分が大切にしたい軸を持つことが重要です。相談者の利益を第一に考える、という軸をはっきりさせたうえで、組織の目標とどう両立できるかを考えます。

両立が難しいと感じたら、企業の中や公的機関、独立など、目標の置かれ方が異なる領域へ移る選択もあるでしょう。

軸を言葉にしておくと、判断に迷いにくくなります。目標の置かれ方は職場によって違うため、面接や説明会で聞いておくと安心でしょう。

よくある質問

Q. キャリア支援の仕事に資格は必要ですか?

多くの職種では必須ではありません。ただし、職業訓練指導員は免許が必要で、学校の進路指導は教員が担います。「キャリアコンサルタント」と名乗るには国家資格が必要です。職種によって条件が違うため、募集要項で確認してください。人材サービスや企業の人事は、資格がなくても目指せる場合が多い領域です。入職の前に、条件を一度整理しておくと迷いません。

Q. 未経験でもなれますか?

職種によって違いが出るでしょう。民間の人材サービスや、公的機関の相談員、就労支援員などは、未経験から募集される場合もあります。一方で、専門性が求められる職種は、経験を条件にすることが多くなります。まず小さく試し、経験を積む方法もあるでしょう。副業や勉強会は、最初の一歩になります。募集要項の応募資格を確認してください。

Q. 30代・40代からでも遅くないですか?

遅いとは限りません。社会人としての経験が、相談者の理解に活きる仕事だからです。人事、営業、教育など、これまでの経験を、支援する相手に合わせて使える領域を探しましょう。年齢の条件は職種ごとに異なるため、募集内容で確認してください。転職を考える人の気持ちが分かる点は、大きな強みになります。実際に、他の職種から移る人は少なくありません。

Q. キャリアアドバイザーとキャリアコンサルタントの違いは?

キャリアアドバイザーは、人材紹介会社などで働く職種の名前で、資格は必須ではありません。キャリアコンサルタントは、登録した人が名乗れる国家資格の名称です。キャリアアドバイザーが、キャリアコンサルタントの資格を持つ場合もあります。職種の名前と資格の名前、という違いで覚えるとよいでしょう。面談の技術を証明する手段として、資格を取る人もいます。

まとめ

キャリア支援の仕事は、民間の人材サービス、企業の中、公的機関、教育機関、福祉・就労支援、独立の6つの領域に広がっています。同じ「相談」でも、領域によって相手も目的も働き方も違います。

資格が必須の仕事は少なく、国家資格が必要になるのは「キャリアコンサルタント」と名乗る場合だけ。職業訓練指導員や学校の進路指導のように、免許や教員としての採用が前提の仕事もあるため、目指す職種の条件を確認しましょう。

経験者は、領域をまたいで経験を活かせます。キャリアアドバイザーなら企業の中や独立へ、人事なら社外の支援や独立へ、学校や公的機関の経験者なら民間や福祉へと広げられるでしょう。

選ぶ際は、誰を支援したいか、どんな関わり方をしたいかの2つの軸で絞り、まず小さく試してみてください。大変な面も含めて知ったうえで選べば、納得のいく一歩になります。

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