
「キャリアコンサルタントは役に立たない」。そんな声を見て、資格を取るべきか、取ったのに意味があるのか、不安になっている方は多いはずです。
結論から言うと、資格そのものが役に立たないわけではありません。役に立つかどうかは、取得後に面談を行う機会があるか、目的に合った使い方をしているかで分かれます。
この記事では、「役に立たない」と言われる2つの意味、調査で見る実態、役に立ちにくい人と役に立ちやすい人の違い、資格の活かし方、今後の需要、取る前と取った後の判断まで解説します。
- 「役に立たない」と言われるのはなぜ?2つの意味で整理
- 調査で見る|キャリアコンサルタント資格は役に立っているのか
- 役に立たないと感じやすい人・役に立ちやすい人の違い
- キャリアコンサルタント資格を役に立てる5つの使い方
- 今後の需要はある?確認できる動き
- 「役に立たない」を避けるために|取る前・取った後の判断
- キャリアコンサルタントとコーチングの違い|面談の実践に活かせる学び
- 面談の実践経験を積む道を、相談してみる
- キャリアコンサルタントの「役に立たない」に関するよくある質問
- まとめ|資格が役に立つかどうかは、面談の機会で分かれる
- 面談の実践経験を積みたい方へ|ポジウィルコーチングスクールの個別説明会
「役に立たない」と言われるのはなぜ?2つの意味で整理
「役に立たない」という言葉には、2つの意味が混ざっています。1つは、資格として、収入や仕事につながらないこと。もう1つは、面談として、相談者の役に立てないことです。分けて考えると、原因が見えやすくなります。
資格として|収入や仕事につながりにくい
1つ目は、資格を取っても、収入や仕事に結びつきにくいという意味です。ここで、資格の位置づけを整理しておきます。キャリアコンサルタントは国家資格ですが、医師や弁護士のように、資格がないと仕事ができない資格(業務独占)ではありません。
キャリア相談の仕事そのものは、資格がなくても行えます。資格がないとできないのは、「キャリアコンサルタント」と名乗ることです(名称独占)。
つまり、資格は、一定水準の知識と技能を学んだことを示すものです。仕事や収入を約束するものではありません。資格を取ったあとに、面談を行う機会を得られるかどうかで、仕事や収入が決まります。
この点が誤解されたまま、「資格を取れば仕事が得られる」と期待すると、実際とのずれが生まれ、「役に立たない」という感想につながります。
よくある思い込み | 実際 |
|---|---|
資格がないと、キャリア相談の仕事はできない | 相談の仕事は、資格がなくても行える。資格がないとできないのは、「キャリアコンサルタント」と名乗ること |
資格を取れば、仕事や収入が得られる | 資格は、仕事や収入を保証しない。面談を行う機会は、取得後に自分で作る必要がある |
資格者の約4割は、収入がない | 下の調査の「0%」は、「キャリアコンサルティングに関する活動の収入が、年収に占める割合」です。本業が別の仕事の人や、活動していない人も含まれる |
労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査では、年収のうち、キャリアコンサルティングに関する活動の収入が占める割合を「0%」と答えた人が41.2%、中央値は5.0%でした。
この調査の回答者には、活動していない人(休止者)が約3割(2,253人)含まれます。資格を取っても、その活動で収入を得ている人は多くない、という実態を示す数字として、受け取りましょう。

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT):キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査
面談として|相談者の期待とのずれ
2つ目は、面談そのものが、相談者の役に立たないという意味です。原因の1つは、相談者が期待することと、キャリアコンサルティングの進め方とのずれです。キャリアコンサルティングは、相談者自身が考えて決めることを支える関わり方で、「答えを教える仕事」ではありません。
たとえば、「自分に向いている仕事を教えてほしい」と相談に来た人がいるとします。一般的な情報だけを伝えると、「調べれば分かる内容だった」と感じられ、役に立たなかったという印象が残ります。
一方、本人のこれまでの経験や大切にしていることを整理し、本人が選べる状態まで支えると、「話してよかった」と感じてもらいやすくなります。この違いは、面談の経験を重ねるほど、つけやすくなるでしょう。
企業の側でも、同じ課題があります。厚生労働省の調査(令和7年度)では、キャリアコンサルティングの実施上の問題点として、「相談を行っても効果が見えにくい」が、正社員向けで42.2%ありました。
面談の経験が少ないうちは、相談者の期待とのずれが起きやすく、役に立てている実感も得にくいのです。

2つに共通する原因|面談を行う機会が少ない
2つの意味には、共通する原因があります。取得後に、面談を重ねる機会が少ないことです。面談の機会がなければ、収入にも、面談の質にも結びつきません。資格として役に立たないと感じる人も、面談として役に立てないと感じる人も、実際に相談者と向き合う回数が少ない点は同じです。
次の章で、JILPTの調査を使って、この点を確認します。活動している人と、していない人とでは、資格の役立ち度が大きく異なります。
資格の価値が低いのではなく、活かす機会があるかどうかで、評価が分かれていると考えられます。つまり、「役に立たない」という声の多くは、資格の内容への不満というより、活かす機会がないまま時間が過ぎることへの不安から出ている可能性があるでしょう。
費用と時間は、何に対する投資か
「役に立たない」と感じる背景には、費用と時間への不安もあります。キャリアコンサルティング協議会の案内(2026年度試験)と、国家資格キャリアコンサルタントWEB登録センターの案内で、主な費用と時間を整理します。
項目 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
受験資格 | 次のいずれか1つ。①厚生労働大臣が認定する養成講習の修了、②相談業務の3年以上の経験、③技能検定(キャリアコンサルティング職種)の合格 | 養成講習は実施機関により異なる |
学科試験 | 四肢択一、50問、100分。70点以上で合格 | 8,900円 |
実技試験 | 論述(50分)と面接(ロールプレイと口頭試問、計20分) | 29,900円 |
更新(5年ごと) | 知識講習8時間以上、技能講習30時間以上(厚生労働大臣指定)。申請は有効期間満了日の90日前から30日前まで | 更新手数料8,000円(非課税) |
受験料は、学科と実技をあわせて38,800円です。このほかに、合格後の登録の費用と、更新講習の受講費用が別にかかります。
費用の見返りは、収入だけで測るものではありません。本業での面談の質、人事や管理職としての信頼、副業の選択肢なども、見返りです。何に使うために取るのかを決めておくと、費用に見合うかどうかを判断しやすくなります。
養成講習は、実施する機関ごとに費用と期間が異なります。教育訓練給付制度の対象になる場合があるため、講座ごとに確認してください
調査で見る|キャリアコンサルタント資格は役に立っているのか
ここでは、JILPTの「第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(労働政策研究報告書No.227)を中心に、実態を確認します。ただし対象は、キャリアコンサルティング協議会のメール配信に登録している方で、登録者全員を代表する数字とは言い切れません。
活動している人と、していない人の違い

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT):キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査
調査では、活動への満足度、資格の仕事・生活への役立ち度、課題解決への役立ち度を、5段階(5点満点)で尋ねています。資格の仕事・生活への役立ち度の平均は、活動している人(5,333人)が4.22、活動していない人(休止者、2,253人)が2.90でした。
課題解決への役立ち度は、活動している人が3.99、休止者が2.25です。活動への満足度も、3.26と1.65で、差があります。いずれの差も、統計的に意味のある差でした。資格を取っても、実際に使っていない人は、役に立つと感じにくいことが分かります。ただし、回答者に偏りがある可能性もあるため、目安として受け取ってください。
活動をしていない理由

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT):キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査
休止者に、活動していない理由を尋ねた結果(複数回答)では、「キャリアコンサルティングとは関係のない組織、部署等に所属している」が1,204人で、53.4%でした。次いで、「周囲にキャリアコンサルティングの仕事(ニーズ)がない」が781人で34.7%です。
ほかに、「他の仕事などで忙しく、時間的余裕がない」が18.2%、「所属する組織がキャリアコンサルティングに熱心ではない」が17.0%、「自分自身の専門的スキル・知識に自信がない」が16.7%でした(人数から算出)。上位の理由は、資格の価値ではなく、活かす機会の少なさです。ニーズがない場合や報酬が少ない場合は、満足度や役立ち度が特に低くなっていました。
活動の頻度・生計状態で、役立ち度は変わる

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT):キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査
活動の頻度別に見ると、「ほぼ毎日」活動している人(2,153人)は、資格の仕事・生活への役立ち度が4.5、満足度が3.8でした。「不定期」に活動している人(1,325人)は、役立ち度が3.8、満足度が2.5です。頻度が高いほど、役立ち度も満足度も高くなっています。
生計の状態でも差があります。キャリアコンサルティングの活動だけで生計を立てている人は、役立ち度が4.5、満足度が3.9。それ以外の仕事だけで生計を立てている人は、3.8と2.5でした。
報告書は、資格を活かす機会を増やすことで、活動の幅や頻度が増え、満足度や役立ち度が上がると考察しています。ただし、これは相関で、原因と結果までは断定できません。
活動年数が長いほど、満足度は上がる

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT):キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査
通算の活動年数別では、活動への満足度が、5年未満で3.0、5年以上10年未満で3.4、10年以上で3.5と上がります。取得して間もない時期は、満足度が低くなりやすいことが分かります。
一方で、資格の仕事・生活への役立ち度は、5年未満でも4.1と高く、5年以上では4.3でした。活動している人は、取得して間もなくても、資格が役に立つと感じています。
報告書は、満足度や役立ち度が上がる軌道に乗るまでには、ある程度の期間が必要と見ています。すぐに成果が出なくても、役に立たない資格とは限りません。取得直後の人にとっては、満足度が低い時期があること自体は、特別なことではないと分かります。
相談を受ける側・企業側の評価

厚生労働省の「能力開発基本調査」では、キャリアコンサルティングを行った効果として、「労働者の仕事への意欲が高まった」が、正社員で44.9%、正社員以外で46.5%でした。
一方で、実施上の問題点には、「相談を行っても効果が見えにくい」が42.2%(正社員)、「労働者からの相談件数が少ない」が41.6%ありました。
面談に価値を感じる企業がある一方で、効果の見え方や相談の件数に課題を感じる企業もあります。一方向の評価ではなく、両面を押さえておきましょう。
資格を持つ側から見ると、面談の価値は認められている一方、成果が見えにくいという課題を、面談の工夫で補う余地があるといえます。
役に立たないと感じやすい人・役に立ちやすい人の違い
ここまでの調査を踏まえると、役に立つかどうかは、状況によって分かれます。次の表で、役に立ちにくい状況と、役に立ちやすくする条件を整理します。
状況 | 役に立ちにくい理由 | 役に立ちやすくする条件 |
|---|---|---|
目的を決めずに取得 | 収入、転職、本業での活用など、期待が定まらず、ずれやすい | 取る前に、何に使うかを決める |
取得後に面談の機会がない | 学んだ内容を使わず、面談の力として身につかない | 面談を行う機会を、自分で作る |
本業に相談の機会が少ない | 資格と関係のない部署では、使う機会が限られる | 社外の相談活動や副業も選択肢にする |
面談はしているが手応えがない | 回数をこなすだけで、振り返りがない | 記録と振り返り、フィードバックを受ける |
目的を決めずに取った場合
目的を決めずに資格を取ると、期待とのずれが起きやすくなります。収入を得たいのか、転職に活かしたいのか、本業の面談の質を上げたいのかで、役に立つ形が変わるためです。
たとえば、人事として社員との面談の質を上げたい人なら、本業が資格の活かす先です。独立して収入を得たい人は、資格に加えて、相談者を集める手段や実績が必要になります。
同じ資格でも、目的によって必要な準備が違うため、取る前に決めておくことが、後悔を減らす第一歩です。取る前に、「誰の、どんな悩みを支援したいか」を、1文で書いてみましょう。書けない場合は、目的がまだ固まっていない状態です。
取得後に面談の機会がない場合
取得後に、面談を行う機会がないまま時間が過ぎると、学んだ内容は使われず、面談の力としては身につきません。休止者の役立ち度が低いのは、この状態にある人が多いためと考えられます。
資格の学習では、理論や技法を学び、ロールプレイで実習も行います。ただ、実際の相談は、教科書どおりに進まないことが多くあります。
話すのが苦手な相談者、複数の悩みが重なった相談など、実際の面談で初めて出会う場面は少なくありません。面談の機会は、待つのではなく、自分で作る必要があります。
たとえば、取得から1年が経っても面談を1回も行っていなければ、学んだ内容を思い出すのにも時間がかかります。小さくても、早めに1回目の面談を行うことが、経験の入口です。
本業の中に、相談の機会が少ない場合
企業や公的機関で働いていても、すべての人が、面談を行う部署にいるわけではありません。
企業によって、キャリアコンサルティングの仕組みがあるかどうかも異なります。本業の中で機会が限られる場合は、社外で面談を行う方法もあります。
NPOなどの相談活動、副業としての個人相談、業務委託などです。本業を続けながら、資格を活かす道を探すことができます。本業で機会が少ない人は、休日の数時間から始められる、小さな相談活動を探してみましょう。
面談はしているが、手応えがない場合
面談を行っていても、手応えがないと感じることがあります。回数をこなすだけでは、面談の質は上がりにくいためです。相談者が、何に困っていて、面談で何が変わったのかを、振り返る習慣が必要です。
具体的には、面談のあとに、相談者の話の要点、自分の質問が適切だったか、うまくいかなかった点を記録します。可能なら、経験のある人にロールプレイや事例を見てもらい、フィードバックを受けましょう。1人で振り返るより、気づきが増えます。
回数と振り返りの両方が、面談の力を育てます。手応えは、相談者の「話してよかった」という一言や、次の行動が決まったかどうかで確かめられます。
キャリアコンサルタント資格を役に立てる5つの使い方
資格を役に立てる方法は、1つではありません。次の表で、5つの使い方を比べます。自分の目的に合うものから、検討してみましょう。
使い方 | 必要なもの | 収入 | 向く人 |
|---|---|---|---|
本業で活かす | 資格と、本業での面談の機会 | 直接は増えない(手当は会社による) | 人事、管理職など |
企業・自治体・学校の相談業務 | 応募と、面談の経験 | 雇用・委託の条件による | 相談を仕事の中心にしたい人 |
副業 | 資格と、案件・相談者を見つける手段 | 案件の条件による | 本業を続けて始めたい人 |
独立 | 実績と、相談者を継続して得る手段 | 自分で設計 | 実績を積んだ人 |
他の学びと組み合わせる | 目的と、費用と時間 | 組み合わせによる | 関わり方の幅を広げたい人 |
本業で活かす
人事や管理職の方は、社員との面談や1on1に、資格で学んだ内容を活かせます。話を聞く姿勢、質問の仕方、相手の考えを整理する支援は、本業の中で使う機会が多くあります。
この使い方では、資格を取ること自体で、収入が直接増えるわけではありません。ただし、面談の質が上がり、部下との信頼関係が深まるなど、本業の成果につながる可能性があります。
資格に対して手当を出す会社もありますが、会社によって異なるため、就業先の制度を確認しましょう。1on1の最初の5分で、相手の状況を聞く時間を取るなど、小さな工夫から試せます。1on1の進め方は、以下の記事で解説しています。

関連記事:1on1のやり方とは?基本と本音を引き出す聞き方・質問例を会話例で解説
企業・自治体・学校の相談業務
企業のキャリア面談、自治体や公的機関の就労支援、大学や専門学校のキャリアセンターなどで、相談業務を行う方法です。
雇用の形は、正社員、非正規、業務委託など、さまざまです。応募の際には、面談の経験を問われる場合があります。取得直後は、経験を積みながら応募できる募集を探すとよいでしょう。
募集の条件は、面談の経験年数、対象の年代、勤務の形(常勤、非常勤、業務委託)で異なります。条件を読み比べて、今の自分が応募できるものから選びましょう。
副業
本業を続けながら、副業として相談の仕事を行う方法です。
副業の場合、案件や相談者を見つけることが、最初の壁になります。仕事の種類、収入の目安、案件の探し方、注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。収入は、案件の条件や、相談者の数によって大きく異なるため、始める前に確認しておきましょう。
副業の収入は、単価と面談の回数で決まります。本業との両立では、面談に使える時間を、先に決めておくことが大切です。

関連記事:キャリアコンサルタントの副業は可能?仕事内容・収入・始め方を解説
独立
独立して、個人でキャリア相談を行う方法です。価格や提供する内容を、自分で決められる自由度があります。反面、相談者を継続して得る手段や、実績が必要になります。
ただし、そこに至るまでには、一定の期間と実績が必要という見方もあります。いきなり独立するより、副業で実績を作り、収入の見通しが立ってから検討するほうが、無理がありません。
独立後は、相談の準備や記録に加えて、集客、経理、契約の管理も自分で行います。面談以外の仕事の量も、見積もっておきましょう。
他の学びと組み合わせる
関わり方の幅を広げるために、他の学びを組み合わせる人もいます。たとえば、質問を重ねて、相談者自身の目標と行動を支える、コーチングです。キャリアコンサルティングは、働き方や進路の相談に、制度や情報を示しながら助言する関わり方で、役割が異なります。
ただし、必ず学ぶ必要はありません。目的、費用、期間、学んだあとに実践できる機会があるかを確認して、判断しましょう。学んだあとに、実際の相談者と向き合う機会があるかを確認することが、役に立てるうえでのポイントです。
キャリアコンサルティングとコーチングの違いと使い分けは、以下の記事で解説しています。

関連記事:キャリアコンサルタントとコーチングの違いは?それぞれの特徴や共通点も解説
今後の需要はある?確認できる動き
資格の将来性が気になる方も多いはずです。将来のことは断定できないため、ここでは、確認できる動きだけを整理します。需要が増えても、資格者の面談の機会が自動で増えるわけではない点も、あわせて押さえておきましょう。
企業の取り組みが広がっている
厚生労働省は、企業が従業員に定期的なキャリア面談や研修を行う取り組み(セルフ・キャリアドック)を推進しています。企業が、従業員のキャリア形成を支援する流れが続いています。
厚生労働省の「能力開発基本調査」(令和7年度)では、キャリアコンサルティングを行う仕組みがある事業所は、正社員で48.4%、正社員以外で30.1%でした。仕組みがある事業所は半数に届かず、広がる余地があるともいえます。仕組みのある企業ほど、資格を活かす機会が増える可能性があります。
活動領域は、企業が増えている
JILPTの調査では、キャリアコンサルタントの活動領域は、変化しています。企業領域は、2006年の24.2%から、2022年の41.7%へ増えました。一方で、需給調整機関(ハローワーク、人材紹介など)は、47.9%から20.5%へ減っています。
つまり、以前は公的機関や人材紹介が中心だったものが、近年は、企業の中で活動する人が最も多くなっています。資格を活かす先は、変わりつつあります。
取得を考えるときは、どの領域で活動したいかを決め、その領域で求められる経験を確認しておくと、取得後の準備がしやすくなります。企業領域で活動する場合は、人事制度や企業の事情への理解も求められるでしょう。
資格者の数と、機会のバランス
国のキャリアコンサルタント名簿に登録されている人は、82,527人です(2025年6月末現在、厚生労働省)。資格者が増えるほど、資格を持っているだけでは、差がつきにくくなります。
資格を取ったあとに、面談の機会を作り、経験を積んでいるかどうかが、役立ち度を左右します。需要の動きを見るだけでなく、自分が面談を行う機会をどう作るかを、あわせて考えておきましょう。
取得して終わりにせず、取得後の1年間に、面談を何回行うかの目標を決めておくと、活動が止まりにくくなります。
「役に立たない」を避けるために|取る前・取った後の判断
ここまでの内容を、実際の判断に使える形に整理します。取る前に考えること、取ったあとに行うことを、順に見ていきましょう。
取る前に決める3つの問い
取得を考えている方は、次の3つの問いに答えてみましょう。
1つ目は、何のために使うか。収入、本業での面談、転職など、目的を言葉にします。
2つ目は、費用と時間をどれだけかけられるか。養成講座、受験、更新の費用と、学ぶ時間を見積もります。
3つ目は、取得後に、面談する機会をどう作るかです。本業の中にあるか、社外で探す必要があるかを考えましょう。3つ目に答えが出ない場合は、取得後に活動しない状態になりやすく、休止者の理由と重なります。
3つの問いに答えを持ってから取ると、「役に立たない」と感じる可能性を減らせます。答えは、最初から完璧でなくて構いません。仮の答えを置いて、取得後に見直しましょう。
取得後の面談経験の積み方
取得後に面談の経験を積む方法は、主に4つあります。
1つ目は、有資格者の団体や勉強会で、ロールプレイを行う方法。
2つ目は、NPOなどが行う相談活動に参加する方法。
3つ目は、小規模で低単価の個人相談で、実績を作る方法。
4つ目は、業務委託や所属の形で、事業者から割り当てられた相談者を担当する方法です。
道ごとに、実際の相談者に会えるか、収入になるか、営業が必要かが異なります。本業との両立を考えて、使える時間と、営業にかけられる時間に合わせて選びましょう。
面談を振り返る習慣
面談の経験を積むときは、回数だけでなく、振り返りも欠かせません。面談のあとに、相談者の話の要点、自分の質問が適切だったか、うまくいかなかった点を、記録しておきます。
記録は、守秘義務に注意し、相談者が特定されない形で残しましょう。経験のある人に事例を見てもらったり、ロールプレイを通じてフィードバックを受けたりする機会があると、1人では気づけない点が分かります。
振り返りを続けると、面談の質が少しずつ上がり、役に立っている実感も得やすくなります。振り返りの項目を、良かった点、迷った点、次に試すことの3つに絞ると、続けやすくなります。
キャリアコンサルタントとコーチングの違い|面談の実践に活かせる学び
面談の経験を積む方法を考えるとき、コーチングを学ぶ人もいます。ただし、2つは別の関わり方で、必ず学ぶ必要はありません。ここでは、違いと、面談の実践にどう活かせるかを、簡単に整理します。
役割の違い|助言する関わり方と、本人の決定を引き出す関わり方
キャリアコンサルティングは、働き方や進路の相談を受け、制度や求人などの情報を示しながら助言する関わり方です。国家資格のキャリアコンサルタントは、登録した人だけが名乗れます。相談者の状況を整理し、必要な情報を示して、判断を支えます。
コーチングは、質問を重ねて、相談者自身が目標と次の行動を決め、実行するところまで支える関わり方です。資格は民間のものが中心で、名乗るための登録は必要ありません。どちらが優れているということではなく、相談者に提供する内容が異なります。
面談の場面での違い
「転職したほうがよいのか迷っている」という相談を例にします。キャリアコンサルティングでは、これまでの経験や大切にしていることを整理したうえで、業界や求人の動向などの情報を示し、選択肢を一緒に検討します。
コーチングでは、「どんな状態になれば転職してよかったと思えるか」といった質問を重ねて、本人が判断の基準を言葉にします。そのうえで、来週までに何をするかを本人が決め、次の面談で振り返ります。
情報を示す場面と、本人の決定を引き出す場面は、実際の面談の中で行き来します。2つの関わり方を知っておくと、相談者に合わせて使い分けやすくなるでしょう。
コーチングを学ぶと、面談の実践にどう活かせるか
コーチングで学ぶ、質問の仕方や、相談者の話を聞く姿勢、次の行動を決めて振り返る進め方は、キャリアコンサルティングの面談にも使えます。また、数か月にわたって行動を支える、継続型の関わり方もできるようになります。
ただし、学ぶだけで、面談の力が身につくわけではありません。学んだあとに、実際の相談者と向き合う機会があるかを、確認しましょう。目的、費用、期間、学んだあとに実践できる環境を比べて、必要かどうかを判断してください。
面談の実践経験を積む道を、相談してみる
取る前の問いに答えてみて、あるいはコーチングも含めて、「自分の場合は、どの道が合うのか」を誰かに聞いてみたくなった方もいるかもしれません。コーチングを学びながら、面談の実践経験も積める選択肢として、ポジウィルコーチングスクールと個別説明会を紹介します。
ポジウィルコーチングスクールとは
ポジウィルコーチングスクールは、キャリア支援者を育てるスクールです。カウンセリング、コーチング、コンサルティングの3つのスキルを、まとめて学べます。期間は約2か月で、全10回のライブ講義があります。1回は90分の講義と30分の質疑応答で、録画のアーカイブもあります。
講義のほかに、毎週ロールプレイングの時間があり、コーチ役と相談者役を交代して練習します。卒業後に、ポジウィル認定資格に合格すると、ポジウィルキャリアの業務委託トレーナーとして活動する機会があります。
営業が不要で、面談とスキルアップに専念して、実績を積める点が特徴です。ただし、契約は合格者全員に約束されるものではありません。
個別説明会で分かること
個別説明会は、無料のオンラインセッションで、プロコーチが担当します。1回目と2回目の2回制で、各回は約45〜60分です。1回目は、これまでの経歴や、いま感じている壁を話し、課題を整理する回です。この回で受講を決める必要はありません。
2回目は、1回目の整理を踏まえて、カリキュラムの進め方、卒業後のサポート、受講料と支払い方法を確認する回です。目的によっては、ほかの選択肢が合う場合もあります。自分の目的に合うかを確かめる機会として、気軽にご活用ください。申し込みを急ぐ必要はありません。
詳しくは、以下の記事で解説しています。

キャリアコンサルタントの「役に立たない」に関するよくある質問
キャリアコンサルタントは本当に意味がないのですか
意味がないとは言えません。JILPTの調査では、活動している人は、資格の仕事・生活への役立ち度を4.22(5点満点)と評価しています。一方、活動していない人は2.90でした。
資格が役に立つかどうかは、取得後に面談を行う機会があるかどうかで大きく変わります。取る前に目的を決め、取得後の面談の機会をどう作るかを考えておくと、意味のあるものにしやすくなります。
資格を取っても求人は少ないのですか
資格を取れば、すぐに求人が得られるとは限りません。経験を重視する募集もあります。
取得直後は、経験を積みながら応募できる募集や、ロールプレイ、NPOなどの相談活動で実績を作る方法を組み合わせると進めやすくなります。応募先の領域は、企業が最も多くなっています。
取ったあとに後悔する人はどんな人ですか
活動していない人の理由から、傾向が分かります。「関係のない組織、部署等に所属している」「周囲にニーズがない」といった、活かす機会がない状態が上位でした。
目的を決めずに取った人、取得後の面談の機会を考えていなかった人は、後悔しやすいと考えられます。取る前に、何に使うか、どこで面談を行うかを考えておくことが、後悔を減らす方法です。
40代・50代から取っても意味はありますか
意味はあります。JILPTの調査でも、登録者は50代が中心で、60代以上も増えていました。これまでの仕事や生活の経験が、相談の支援に活きる面もあります。
人事、管理職、教育などの経験がある方は、その経験と資格を掛け合わせると、支援する対象を絞りやすくなります。年齢より、取得後に面談を行う機会を作れるかどうかが、役立ち度を左右します。
面談がうまくいかないときはどうすればよいですか
まず、面談のあとに、記録と振り返りを行いましょう。相談者の話の要点、自分の質問が適切だったか、うまくいかなかった点を書き出します。
1人で行き詰まる場合は、経験のある人にロールプレイや事例を見てもらい、フィードバックを受けましょう。回数だけでなく、振り返りと他の人の視点を取り入れることで、面談の質が上がりやすくなります。
取得後に活動していなくても、更新は必要ですか
資格は、5年ごとの更新が必要です。更新には、厚生労働大臣が指定する講習(知識講習8時間以上、技能講習30時間以上)の修了と、更新手数料8,000円(非課税)が必要で、申請は有効期間満了日の90日前から30日前までです。5年を過ぎると、資格は失効します。
活動していない場合も、資格を維持したいなら、更新の手続きが必要です。活動している人は、キャリアコンサルティングの実務に従事した時間などを、合計10時間まで、技能講習の時間に代えられます。
更新するかどうかは、今後の目的と、費用と時間を踏まえて判断しましょう。失効後も、条件によっては再登録できる場合があるため、詳しくは登録センターの案内で確認してください。
まとめ|資格が役に立つかどうかは、面談の機会で分かれる
「キャリアコンサルタントは役に立たない」という言葉には、資格として収入や仕事につながらない、面談として相談者の役に立てない、という2つの意味があります。共通する原因は、取得後に面談を行う機会が少ないことです。
JILPTの調査では、資格の仕事・生活への役立ち度は、活動している人が4.22、していない人が2.90でした。活動の頻度が高い人ほど、役立ち度が高い傾向にあります。資格の価値というより、活かす機会があるかどうかで評価が分かれています。
取る前に、何に使うか、費用と時間はどれだけか、取得後にどこで面談するかを決めておきましょう。取得後は、小さくても面談の機会を作り、振り返りを重ねることが大切です。面談の実践経験を積む道を、誰かと整理したい場合は、次の個別説明会も選択肢のひとつです。
面談の実践経験を積みたい方へ|ポジウィルコーチングスクールの個別説明会
調査から見えたのは、資格を活かすかどうかは、面談を行う機会があるかで分かれる、という点でした。ポジウィルコーチングスクールは、その機会に向き合える選択肢のひとつです。ここでは、業務委託トレーナーの機会、学べる内容、受講料、個別説明会の流れを紹介します。
業務委託トレーナーという選択肢
スクールを卒業し、ポジウィル認定資格に合格すると、ポジウィルキャリアの業務委託トレーナーとして活動する機会があります。相談者はポジウィルキャリアから案内されるため、自分で集客する必要がありません。コーチングとスキルアップに専念して、実績を積めます。
報酬は、面談1回あたり2,000〜5,000円が目安です。業務委託者の8割以上が、本業で正社員として働いており、週1時間程度から取り組めます。ただし、契約は合格者全員に保証されるものではありません。
学べる内容と、サポート
約2か月で、カウンセリング、コーチング、コンサルティングの3つのスキルを学びます。全10回のライブ講義と、毎週のロールプレイングがあります。受講生と業務委託コーチの7〜8割は、コーチングが未経験です。
最初の3〜5名の相談者を担当する間は、メンターとの1対1の壁打ちがあります。約300人が参加するコミュニティもあり、実践の悩みを共有できます。ロールプレイを重ねる環境は、面談の経験が足りないと感じる取得直後の方にとって、実践の前の練習の機会になります。
受講料と支払い方法
項目 | 内容 |
|---|---|
期間 | 約2か月 |
受講料 | 660,000円(税込) |
分割払い | 月額31,900円〜(24回)【要確認】 |
入会金 | 55,000円(税込)【要確認:免除条件】 |
費用は、決して小さな金額ではありません。目的に合うか、費用と期間をかける価値があるかは、説明会で確認してから判断できます。他のスクールや、資格の取得と比べて検討することも大切です。受講料は、約2か月の講義、ロールプレイ、卒業後のサポートを含めた金額です。
分割払いは、月々の負担を抑えられる一方、支払い回数が増えるため、総額もあわせて確認しましょう。入会金の扱いは、個別説明会で確認できます。
個別説明会の流れ
個別説明会は、無料のオンラインセッションで、プロコーチが担当します。1回目と2回目の2回制で、各回は約45〜60分です。1回目は、これまでの経歴と、いま感じている壁を整理する時間です。受講を決める必要はありません。
2回目は、カリキュラム、卒業後のサポート、業務委託トレーナーの条件、受講料と支払い方法を確認します。納得できなければ、受講しないという選択もできます。申し込みを急ぐ必要はありません。まずは、気軽にお話ししてみてください。
自分だけのキャリアを、
自分でデザインする力を身につけませんか?
ポジウィル
コーチングスクールPOSIWILL COACHING SCHOOL
「ポジウィルコーチングスクール」は、35,000人以上のポジウィルキャリアの支援実績をもとに開発されたオリジナルプログラムを通じて、自分自身でキャリアを考え、行動し続ける力を育てます。一度学べば、どんな仕事に就いても、どんな人生の転機が訪れても、自分らしくキャリアを築いていくことができる、一生役立つスキルが身につきます。
こんな人におすすめ
- 自分自身で悩み解決やキャリア設計をしていきたい
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