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1on1の質問例50選|目的別リストと、話が続く聞き方のコツ

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1on1の質問例50選|目的別リストと、話が続く聞き方のコツ

1on1で何を聞けばいいか迷う。毎回、同じ質問になってしまう。そんな管理職の方に向けて、この記事では、すぐ使える1on1の質問例を目的別にまとめました。

まず、どの1on1でも使える厳選の10問。次に、業務・モチベーション・キャリア・関係づくり・振り返りの目的別リスト。さらに、部下の口を閉ざす避けたいNG質問と、新人・ベテラン・口数の少ない部下への出し分けです。

加えて、いま部下とどれくらいの関係性かで、優先すべきテーマも変わってきます。そして、1回の1on1をどう組み立てれば、聴くだけで終わらせず、次の行動まで運べるのか。最後に、同じ質問でも会話が続く人と止まる人の違いを、会話例つきで解説します。

目次
  1. そもそも、1on1とは?
  2. まず使いたい|1on1の厳選質問10
  3. 目的別|1on1の質問例リスト
  4. 関係性のフェーズで、優先すべきテーマは変わる
  5. 避けたい|1on1のNG質問
  6. 相手別|質問の出し分け
  7. 1on1全体を組み立てる、3つのステージ
  8. 質問を活かす|答えの受け方
  9. 【無料プレゼント】本音を引き出す技術(公式LINEで受け取れます)
  10. 会話例|同じ質問が、受け方で伸びる・止まる
  11. まとめ|質問例は、選ぶより使い方で差がつく
  12. よくある質問

そもそも、1on1とは?

1on1とは、上司と部下が定期的に行う、一対一の対話の時間です。評価面談とは違い、主役は部下です。上司が進捗を管理する場ではなく、部下自身が、自分の考えを言葉にして整理する場だと捉えてください。

目的は、大きく2つ。部下の成長を後押しすることと、日々の対話を積み重ねて信頼関係を育てることです。

1on1そのものの目的や背景、頻度や準備の仕方といった、全体の進め方をくわしく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。この記事では、質問そのものに絞って解説していきます。

関連記事:1on1のやり方とは?基本と本音を引き出す聞き方・質問例を会話例で解説

目的を押さえたところで、実際に何を聞けばいいか、質問例から見ていきましょう。

まず使いたい|1on1の厳選質問10

迷ったら、この10問から選べば大きく外しません。業務、気持ち、キャリア、関係づくり、次の一歩を、一通りカバーしています。

  • 「いま、一番時間をかけている仕事はどれ?」

  • 「進めていて、引っかかっているところはどのあたり?」

  • 「その中で、しんどいと感じることはある?」

  • 「最近、やっていて手応えを感じた場面はどこ?」

  • 「いまの仕事量は、無理なくこなせている?」

  • 「チームで、もっとこうなったらいいのに、と思うことはある?」

  • 「私に、もっとこうしてほしい、ということはある?」

  • 「これから、伸ばしていきたい力はある?」

  • 「あなたとしては、この先どう進めたいと思ってる?」

  • 「次の1週間で、まず何から手をつけてみる?」

目的に合わせて選びたい方は、次の目的別リストからどうぞ。

目的別|1on1の質問例リスト

ここからは、5つの目的別に、合計50問をそろえました。質問は、その日の状況に合わせて選びます。今日はどの目的で話すかを決めて、そこから数問を選ぶ、という使い方がおすすめです。

業務・課題を引き出す

このカテゴリで引き出したいのは、進捗そのものではなく、本人もまだ言葉にしていない、引っかかりや工夫です。進捗確認だけで終わらせず、困りごとを表に出すことを意識しましょう。

  • 「いま、一番時間をかけている仕事はどれ?」

  • 「進めていて、思ったより手こずっているところはある?」

  • 「止まっている、あるいは後回しになっている作業はある?」

  • 「この仕事の中で、やりにくさを感じる部分はどこ?」

  • 「もし一つだけ、進め方を変えられるとしたら何を変えたい?」

  • 「誰かの手を借りれば、早く進みそうなことはある?」

  • 「最近、これはうまくいかなかったな、と思ったことは?」

  • 「いまの優先順位で、判断に迷っているものはある?」

  • 「いま抱えている中で、これが片づくと一番ラクになる、というのはどれ?」

  • 「進め方で、これで合っているか確かめたい、と思っていることはある?」

モチベーション・コンディションを確認する

このカテゴリで見えてくるのは、やる気の上がり下がりと、負荷のサインです。不調は、進捗確認の中では見えにくいものです。体調や私生活の深い部分には踏み込みすぎず、相手が話したい範囲にとどめます。

  • 「最近、仕事をしていて面白いと感じた瞬間はある?」

  • 「逆に、気が重いな、と感じる業務はある?」

  • 「どんなときに、仕事が乗ってくる感じがある?」

  • 「いまの仕事量は、無理なくこなせている?」

  • 「忙しさで、後回しになっている休息はある?」

  • 「疲れが残っていないか、気になることはある?」

  • 「最近、認められたな、と感じた場面はあった?」

  • 「いまの働き方で、これが続くとしんどいな、と感じることはある?」

  • 「一日の中で、集中できている時間帯はいつごろ?」

  • 「仕事の中で、これがあるから頑張れる、というものはある?」

キャリア・成長を支援する

このカテゴリの狙いは、遠い将来ではなく、直近の手応えから、伸ばしたい方向を見つけることです。将来の話は、いきなり遠い未来から聞くと固まりがちです。直近のことから引き出していきましょう。

  • 「最近、成長を実感できた場面はあった?」

  • 「いまの仕事で、もっと伸ばしたいと思う力はある?」

  • 「この先、やってみたい仕事や役割はある?」

  • 「半年後、できるようになっていたいことはある?」

  • 「いまの業務は、自分のやりたい方向とつながっている感じがある?」

  • 「学びたいことで、会社に手伝ってほしいことはある?」

  • 「これまでの仕事で、一番手応えがあったのはどんな場面?」

  • 「自分では、得意だなと思える仕事はどれ?」

  • 「逆に、苦手だから誰かと組みたい、という仕事はある?」

  • 「一年後、周りからどんなふうに見られていたい?」

なお、ここで扱うのは、あくまで仕事の中での成長です。人生全体の設計にまで踏み込む場ではありません。

関係を築く・相互理解を深める

このカテゴリが担うのは、信頼関係という土台づくりです。とくに1on1を始めたばかりの時期に効きます。上司が先に少し自己開示すると、部下も返しやすくなります。

  • 「最近、仕事以外でハマっていることはある?」

  • 「チームの中で、相談しやすい相手はいる?」

  • 「私のやり方で、やりにくいと感じるところはある?」

  • 「自分の強みって、どんなところだと思う?」

  • 「仕事で大事にしている、こだわりや価値観はある?」

  • 「チームの雰囲気について、気になっていることはある?」

  • 「仕事をするうえで、これだけは譲れない、ということはある?」

  • 「どんなふうに関わってもらえると、仕事がしやすい?」

  • 「最近、チームの中で、これ助かったな、と思ったことはある?」

  • 「私にもっと共有しておいてほしい、と思うことはある?」

目標を振り返る

このカテゴリで大切なのは、結果の良し悪しより、そこに至る工夫と学びを言葉にすることです。結果が出たかどうかだけでなく、過程の工夫や学びに目を向けると、次につながります。

  • 「今回の取り組み、自分ではどう振り返ってる?」

  • 「うまくいったと感じるのは、どの部分?」

  • 「思うように進まなかったのは、何が要因だったと思う?」

  • 「その中で、自分なりに工夫したことはある?」

  • 「次に同じ状況なら、どこを変えてみたい?」

  • 「今回の経験から、次に活かせそうな学びはある?」

  • 「取り組む前と後で、見え方が変わったことはある?」

  • 「一番時間を使ったわりに、手応えが薄かったのはどこ?」

  • 「周りの助けで、これは大きかった、というものはある?」

  • 「次に向けて、まず一つだけ変えるとしたら何?」

関係性のフェーズで、優先すべきテーマは変わる

上の目的別リストは、何を聞くかを選ぶための軸です。ここでは、いま部下とどれくらいの関係性にあるかによって、どの分類を優先すべきかを整理します。

同じ質問でも、関係の深さによって、響き方はまったく違います。

まだ知り合って間もない相手に、いきなり将来の話を深く聞こうとすると、警戒されて当然です。逆に、長く一緒に働いてきた相手に、当たり障りのない自己紹介のような話ばかりでは、物足りなく感じさせてしまいます。

関係性を、大きく3つの段階で捉えると、テーマの選び方が整理できます。

部下との関係性

いま優先したいこと

主に使う目的別カテゴリ

まだ距離がある(着任・異動間もない)

安心して話せる土台をつくる

関係を築く・相互理解を深める

一定の信頼ができている(日常的にやり取りがある)

日々の業務とコンディションを支える

業務・課題を引き出す/モチベーション・コンディションを確認する

深い関係ができている(長く一緒に働いている)

将来を見据えた対話をする

キャリア・成長を支援する/目標を振り返る

まだ距離がある段階で、いきなり深いキャリアの話に踏み込む必要はありません。まずは、関係を築く・相互理解を深めるのカテゴリから、じっくり時間をかけてください。逆に、深い関係ができている相手に、毎回同じような雑談だけを続けていると、物足りなさを感じさせてしまいます。

話が続かない、と感じたときは、質問そのものより、いまの関係性に見合ったテーマを選べているか、を一度振り返ってみると、原因が見えてくることがあります。

テーマの選び方が整理できたところで、次は、避けておきたい質問を確認しておきましょう。

避けたい|1on1のNG質問

良い質問がある一方で、部下の口を閉ざしてしまう質問もあります。なぜ相手が身構えるのかまで含めて、無意識に使っていないか確認してみてください。それぞれ、置き換え方も添えます。

  • 「なぜできなかったの?」

    「なぜ」は理由をたずねているようで、実際は責めているように響きます。問われた部下は、原因を説明するより、責められないための言い訳を探し始めます。

    その結果、事実も本音も出てきません。「何がネックだった?」「どうすれば進みそう?」と、過去の追及ではなく、事実と次の行動に向かう問いに変えます。

  • 「最近どう?」

    範囲が広すぎて、何を答えれば正解なのか分かりません。だから部下は、いちばん無難な「まあ普通です」でかわします。

    悪気なく毎回これを聞くと、空返事だけが積み重なっていきます。例えば「今週、一番時間をかけたのはどれ?」と、答える範囲を狭く具体的にすると、返事が変わります。

  • 「AさんとBさん、どっちができると思う?」

    比較をさせられた部下は、自分も裏で誰かと比べられている、と感じます。しかも同僚を下げる発言はしたくないので、当たり障りのない答えでかわします。

  • 「評価に響くから、正直に言って」

    「正直に」という前置きが、かえって、ここで話すことは評価材料になる、と宣言してしまっています。部下は自分を守るため、優等生の回答に切り替えます。

    1on1は評価と切り離し、ここは相談の場だと言葉で伝え、実際にそれを守りましょう。

  • 「何か困ってることある?」(毎回同じ。)

    質問自体は悪くありませんが、毎回同じだと、「ない」と答えるのが儀式になります。困っていても、この流れで切り出すのは気が重いのです。

    質問を回し、前回の続きや、今週の具体的な事実から入ると、本当の困りごとが出やすくなります。

  • 「自分の若い頃はね」

    そもそも質問になっていません。部下の話を聞くはずの時間が、上司の昔話に置き換わってしまいます。部下は聞き役に固定され、自分の話をする機会を失います。経験談は、短く、求められたときにだけ添えます。

相手別|質問の出し分け

同じ質問でも、相手によって効き方は変わります。なぜそのタイプにその入り方が向くのかも、あわせて押さえておきましょう。

新人・若手

経験が浅いうちは、良し悪しを判断する基準がまだできていません。だから、どう思う、といった抽象的な問いには、何をどう答えればいいか分からず固まってしまいます。

範囲を絞った具体的な問いなら答えやすく、そこから会話を広げられます。「今週、一番印象に残った仕事はどれ?」「先輩の仕事で、真似したいと思ったことはある?」のように、事実や具体から入りましょう。

ベテラン

経験豊富な相手に、基本的な確認ばかりを繰り返すと、信用されていない、管理されている、と感じさせてしまいます。逆に、判断や意見を求められると、頼られていると感じて主体的に話してくれます。

「この件、率直にどう思う?」「チーム全体で、いま一番気になっているのはどこ?」と、組織の視点で相談する相手として関わるのがコツです。

口数が少ない部下

内向的な人は、頭の中で考えを整理してから話す傾向があります。オープンな問いを投げて沈黙が続いても、それは話す気がないのではなく、考えをまとめている時間です。

急かさず、「A案とB案、どっちがいい?」と選択肢を示したり、あらかじめテーマを渡したりすると、答えやすくなります。

より詳しい部下との関わり方については、以下の記事でまとめています。

関連記事:部下が話してくれない原因と対処法|本音を引き出す聞き方・質問例を会話例で解説

1on1全体を組み立てる、3つのステージ

ここまでで、何を聞くかは、かなり具体的になったはずです。ただ、良い質問がそろっていても、1回の1on1がうまく着地するとは限りません。最後に、時間全体の組み立て方を見ておきましょう。

1回の1on1は、大きく3つの段階で進めると、聴いて終わりにならず、次の行動まで運べます。

段階

この時間の役割

やること

序盤

場を整える

近況を聞き、前回の続きを確認し、今日のテーマを決める

中盤

掘り下げる

決めたテーマについて、事実、気持ち、どうしたいの順にたどる

終盤

次につなげる

今日の気づきと、次までに試すことを、本人の言葉で確認する

序盤|場を整える

いきなり本題に入らず、まず近況や体調に軽く触れ、前回の続きがあれば確認します。そのうえで、「今日は何を話したい?」と、テーマ設定を部下に委ねるのも一つの手です。ここに時間をかけすぎる必要はありませんが、飛ばしてしまうと、後半の対話が硬くなりやすくなります。

中盤|掘り下げる

選んだテーマを、実際に深めていく、1on1の中心となる時間です。ここで使う掘り方は、次の章でくわしく解説します。

終盤|次につなげる

ここが、もっとも見落とされやすい段階です。話を聞いて、なるほどと頷いて終わる。それだけでは、部下にとっては、聞いてもらっただけの時間になってしまいます。

最後に、「今日話して、気づいたことは?」「次までに、何を試してみる?」と、学びと次の行動を、本人の言葉で確認してください。そして、話してくれたこと自体に、「話してくれてありがとう」と一言添えます。この一言があるかどうかで、次の1on1に臨む部下の構えが変わります。

聴くことは、1on1の土台として欠かせません。ただ、聴くだけで終わらせず、この終盤まで運んで初めて、1on1は部下の次の行動につながります。

では、中盤の掘り下げで、具体的にどう問いを重ねればいいのか。ここからは、その技術を詳しく見ていきます。

質問を活かす|答えの受け方

ここで解説するのは、先ほどの3段階のうち、中盤の掘り下げで使う技術です。

ここまでの質問を使っても、会話が続く人と、一往復で終わる人がいます。その差は、多くの場合、質問の選び方ではありません。

返ってきた答えを、どう受けて、次の一問へどうつなぐか、という受け方にあります。

ここが、質問リストを本当に使いこなせるかどうかの分かれ目です。

そもそも1on1の質問は、上司が知りたい情報を集めるためのものではありません。部下自身が、自分の考えを言葉にして整理するためのものです。

人は、頭の中で思っているだけのことを、口に出して自分の耳で聞くと、考えがまとまっていきます。だからこそ、上司が先に答えを渡してしまうと、その整理の機会を奪うことになります。

質問は、部下が自分で気づくための道具だと考えると、受け方が自然と変わります。

答えは、事実から気持ち、どうしたいの順に掘る

一つの答えが返ってきたら、すぐ次の質問に飛ばず、その話題を掘ります。まず、何をしたか、という事実。次に、それをどう感じたか、という気持ち。最後に、これからどうしたいか、という本人の意向。

この順にたどると、一つの質問が、状況の共有から本人の気づきへと深まっていきます。いきなり、どうしたい、と聞いても答えにくいのは、事実と気持ちを飛ばしているからです。

抽象的な言葉は、一つだけ具体化する

これが、話を掘り下げる一番のポイントです。「大変でした」「うまくいきました」といった答えは、そのままだと解像度が粗いままです。

そこで、「たとえば、どんなこと?」「具体的には、どの場面?」と、一つだけ具体を尋ねます。掘り下げのコツは、話題を横に広げることではなく、一つの答えを縦に深めることです。

一点が具体的になると、そのときの気持ちも、次にどうしたいかも、ぐっと掘りやすくなります。

返ってきた言葉は、言い換えずそのまま返す

「しんどかった」と言われたら、「しんどかったんだね」と、同じ言葉で返します。ここで「大変だったね」や「成長のチャンスだね」と言い換えると、微妙にずれます。

自分の言葉をそのまま受け止めてもらえた、という感覚が、次の一言を引き出します。評価も励ましも、まずは横に置きます。

言葉だけでなく、様子の変化も返す

表情や声のトーンの変化も、受け止めの材料になります。「その話になると、少し表情が曇るね」と、見えたことをそのまま伝えると、本人も気づいていなかった気持ちに触れるきっかけになります。

このとき、落ち込んでいるに違いない、と決めつけず、私にはこう見えた、という形で返すと、押しつけになりません。

答えを待つ。最初の答えで畳まない

問いを投げたら、3秒は待ちます。沈黙は、話す気がないのではなく、考えている時間です。しかも、最初に返ってくる答えは、たいてい当たり障りのないものです。

そこで、「そうなんだ」と受けて、もう一呼吸待つと、「実は」と本音の二言目が出てくることがあります。ここで「それは違う」「こうすべき」と即座に助言や評価を挟むと、部下は考えるのをやめ、上司の答えを待つようになります。

まず最後まで聞き切り、必要なら、そこから一緒に考えます。

良い質問リストは、出発点にすぎません。それを、部下が自分で気づくための問いに変えるのは、受け方です。質問を増やすより、この受け方を一つ意識するほうが、会話はずっと続きます。

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会話例|同じ質問が、受け方で伸びる・止まる

同じ質問を投げた1on1を、2通りで比べます。使ったのは、「最近、手応えを感じた場面はある?」という一問です。

Before:特にない、で終わる

上司「最近、手応えを感じた場面ってあった?」

部下「うーん、特にないですね」

上司「そっか。まあ、これからだね」

特にない、をそのまま受け取って、次に進んでしまいました。ここで会話は終わりです。

After:事実に戻して、受けながら掘る

上司「最近、手応えを感じた場面ってあった?」

部下「うーん、特にないですね」

上司「そっか。じゃあ逆に、今週で一番時間をかけてたのはどれ?」

部下「あー、Cさんからの問い合わせ対応が多かったです」

上司「問い合わせ対応、多かったんだね。(沈黙)…あれ、やってみてどんな感じだった?」

部下「正直、最初はしんどかったですけど、途中から、相手が納得してくれると案外やりがいあるなと」

上司「納得してくれるとやりがいある、っていいね。(間)その感じ、もっと増やせるとしたら、何かできそう?」

部下「対応の流れをテンプレにして後輩にも渡せたら、自分も楽になるし、役に立てるかもしれません」

上司は、新しい質問を次々ぶつけたわけではありません。特にない、を受け取ったあと、答えやすい事実の問いに一度戻し、返ってきた言葉をそのまま拾って掘っただけです。それだけで、特にない、から、やりがいを感じる場面と、自分なりのアイデアまで出てきました。質問の数ではなく、受け方で会話は伸びます。

まとめ|質問例は、選ぶより使い方で差がつく

1on1の質問は、たくさん覚えることよりも、選び方と使い方が大切です。

  • まずは厳選10問、慣れてきたら目的別で選ぶ

  • 全部使おうとせず、その日の状況で数問に絞る

  • 詰問・漠然・比較といったNG質問を避ける

  • 相手のタイプで、入り方を出し分ける

  • 同じ質問でも、事実から気持ち、どうしたいの順に、言い換えず受けると会話は続く

次の1on1では、質問を一つ選んだら、返ってきた答えを、言い換えずにそのまま返すところから試してみてください。それだけで、手応えが変わってくるはずです。

よくある質問

毎回、同じ質問になってしまいます。

目的別のリストで、今日はこの目的、と決めて回すと、マンネリを避けられます。前回決めた次にやること、を入口にするのも有効です。

質問しても、はい、いいえで終わってしまいます。

答えが一言で終わる問いは、事実確認には向きますが、話は広がりません。「どう進める?」「どう感じた?」と、相手が自分の言葉で答える問いに変え、まず答えやすい事実から入ってみてください。

質問は何問くらい用意すればいいですか。

たくさん用意しても、全部は使いません。その日の状況に合わせて、数問あれば十分です。それより、返ってきた答えを掘るほうに意識を向けてください。

「問う」技術は、体系的に学ぶとさらに深まります

ここまで、質問の選び方、答えの受け方、そして1on1全体の組み立て方をお伝えしてきました。これらは、コーチングという分野で体系化されている技術の一部です。

自己流の質問は、うまくいく相手とそうでない相手が出てきます。体系的に学ぶと、相手のタイプや関係性のフェーズに合わせて、問いの種類や深め方を、その場で選べるようになります。質問リストを覚えることから、状況に応じて自分で問いをつくれる段階へと、変わっていきます。

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