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傾聴力の高め方とは?鍛える7つのトレーニングと聴き方のコツを紹介

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傾聴力の高め方とは?鍛える7つのトレーニングと聴き方のコツを紹介

部下と1on1をしても、なかなか本音が出てこない。相槌は打っているつもりなのに、話が深まらない。そんな経験はないでしょうか。

結論からお伝えすると、傾聴力は生まれつきの才能ではなく、聴き方のコツを知り、日々の会話で意識して鍛えれば、誰でも高められる技術です。特別なセンスがなくても、明日の1on1から変えていけます。

自分は聴くのが苦手かもしれない、と感じるのは、決して珍しいことではありません。この記事では、傾聴とは何かという基本から、傾聴力を高めるメリット、土台になる3つの姿勢、そして今日から試せる7つのトレーニングまで、具体的に解説します。

目次
  1. 傾聴とは?聞く・聴く・訊くの違い
  2. 傾聴力を高めると、どんなメリットがあるのか
  3. 傾聴の土台になる3つの姿勢
  4. 傾聴力を鍛える、7つのトレーニング
  5. 傾聴力が高い人の特徴(セルフチェック)
  6. 傾聴力を高める|聴けない瞬間をなくす
  7. 一人で身につけるのが難しいと感じたら
  8. 会話例|励ます聞き方から、受け止める聞き方へ
  9. それでも聴くのが難しいと感じるときは
  10. まとめ|傾聴力は、テクニックより聴けない瞬間を減らすこと
  11. よくある質問

傾聴とは?聞く・聴く・訊くの違い

まず、言葉の整理から始めます。似た音の言葉ですが、それぞれ意味が違います。

聞くは、受動的な行為です。音や言葉が、自然と耳に入ってくること。

聴くは、能動的な行為です。相手が伝えようとしていることを理解しようと、意識を向けて耳を傾けること。

訊くは、自分から働きかける行為です。自分が知りたいことを、相手に尋ねること。

傾聴とは、この聴くを土台にしながら、必要な場面で訊くを組み合わせる関わり方です。ただ聞くだけでは、相手の考えは深まりません。かといって、訊いてばかりでは、それは詰問になってしまいます。

大切なのは、これが特別な才能ではないということです。聴く姿勢を整え、コツを意識して場数を踏めば、誰でも少しずつ高められます。

傾聴力を高めると、どんなメリットがあるのか

なぜ、わざわざ聴き方を鍛える必要があるのか。ここで、その価値を確認しておきます。

部下が、本音を話しやすくなる

聴いてもらえる、という安心感が、当たり障りのない報告で終わらない関係をつくります。特にないです、で終わっていた1on1が、少しずつ変わっていきます。

問題の芽を、早い段階で拾える

数字や進捗だけでは見えない引っかかりに、聴くことを通じて気づけます。小さな違和感の段階で拾えれば、深刻化する前に手を打てます。

部下が、自分で考えて動くようになる

答えをすぐ渡されるより、聴いてもらいながら自分で言葉にした部下は、次からも自分で考える癖がつきます。指示待ちが減っていくのは、聴かれる経験の積み重ねです。

自分自身の思い込みにも、気づける

相手を理解しようとする過程で、自分がいかに自分のものさしで判断していたかにも気づきます。これは、聴く側にとっての、思わぬ収穫です。

これらは、テクニックを覚える前に知っておきたい、傾聴に取り組む土台です。ここから、実際にどう聴けばいいのか、その姿勢を見ていきます。

傾聴の土台になる3つの姿勢

聴き方のコツを覚える前に、まず整えておきたい姿勢があります。テクニックだけを真似しても、この土台がないと、うわべだけの相槌になってしまいます。

相手の立場から見えている景色を、理解しようとする

相手の立場から見えている景色を理解しようとすることを、共感的理解といいます。

自分の意見に同意することと、相手を理解することは、別物です。共感的理解とは、相手の考えに賛成するかどうかではなく、相手にはそう見えている、という事実を、相手の立場に立って理解しようとする姿勢を指します。

これが大切なのは、多くの上司が、無意識に自分の経験というものさしで、部下の話を聞いてしまうからです。自分ならこう考える、という前提で聞くと、相手の景色とはズレたまま、話が進んでしまいます。

たとえば、部下がこれまでと違うやり方を提案してきたとき「それは難しいと思う」と先に自分の意見を返す前に「なぜそう考えたのか、部下にはどんな景色が見えているのかを」まず聴いてみてください。「その考えに至った経緯を、もう少し聞かせて」と促すだけでも、相手は、分かろうとしてくれている、と感じます。

よくあるつまずきは、理解しようとする姿勢のつもりが、実は説得しようとする姿勢になっていることです。なるほど、でも、と続けてしまうと、相手は、結局否定されるんだ、と感じ、口を閉ざします。理解は、同意でも説得でもありません。

良し悪しの判断を脇に置き、関心を向け続ける

良し悪しの判断を置いておいて、相手の話に関心を向け続けることを、無条件の肯定的関心といいます。

何を言われても、良し悪しの判断を、いったん脇に置いて受け止める姿勢です。無条件とは、相手の発言の内容によって、関心を向けたり向けなかったりしない、という意味です。

これが大切なのは、評価や判断を先に感じ取ると、人は本音を話さなくなるからです。「この話をしたら、どう思われるだろう」と考え始めた瞬間に、当たり障りのない答えに切り替わります。

たとえば、部下が後ろ向きな話ばかりする時期があっても、後ろ向きな人だ、とレッテルを貼らないでください。何がそうさせているのかに、関心を向け続けることが、次の言葉を引き出します。「そう感じるくらい、何かあったんだね」と、内容の当否ではなく、その人自身への関心として受け止めます。

よくあるつまずきは、条件つきの関心になってしまうことです。良いことを話したときだけ熱心に聞き、耳が痛い話になると急に反応が薄くなる。この差は、部下に敏感に伝わります。関心は、話の中身にかかわらず、一定であることが土台です。

分かったふりをせず、理解のずれを埋めにいく

分かったふりをせずに、理解のずれを埋めに行くことを、自己一致といいます。

自分の内側にある、分からない、腑に落ちていない、という感覚を、取り繕わずに、そのまま相手に伝える姿勢です。

自己一致とは、自分が実際に感じていることと、外に見せる態度を、一致させることを意味します。

これが大切なのは、分かったふりをすると、その場しのぎの対話になり、あとで認識のずれが表面化するからです。ずれたまま進んだ対話は、結局、部下の側にも、ちゃんと伝わっていない、という不満を残します。

たとえば、話の途中で、話が飲み込めなくなったら、分かったふりで頷き続けるのではなく、そこ、もう少し聞かせて、と率直に確認してください。知ったかぶりをしない上司のほうが、かえって信頼されます。

よくあるつまずきは、聞き返すと、理解力がないと思われるのではないか、という不安から、分かったふりを続けてしまうことです。しかし実際は逆で、正直に聞き返す姿勢のほうが、誠実に聴いている証として伝わります。

この3つは、技術というより構えです。次に紹介するトレーニングは、この土台の上に乗って、初めて効いてきます。

傾聴力を鍛える、7つのトレーニング

ここからは、今日から試せる7つの方法を紹介します。全部を一度にやろうとせず、まずは一つ、意識してみてください。

1. 話す割合を、相手7〜8:自分2〜3に変える

自分が話す時間を、意識して減らします。目安は、相手が7〜8割、自分は2〜3割です。

なぜこれが効くのか。上司が話す時間が長いほど、部下は聞き役に固定され、自分の考えを言葉にする機会を失うからです。良かれと思って説明を重ねるほど、部下の思考は止まっていきます。

  • NG:部下「実は、進め方に迷っていて」上司「ああ、それなら僕の経験だとこうで、こういう理由で、だからこうしたほうがいい。あと前にも似たケースがあって……」(気づけば5分、上司だけが話している)

  • OK:部下「実は、進め方に迷っていて」上司「迷ってるんだね。どのあたりで迷ってる?」(短く受けて、すぐ部下に話を戻す)

実践のコツは、会話の後、話し足りないな、と感じるくらいがちょうどいい、と覚えておくことです。話し足りなさを感じたら、うまく抑えられている証拠です。

2. 口を挟まず、最後まで聴ききる

相手が話している途中で、それはね、と引き取らないこと。反論したくなっても、いったん、そうなんだね、と受け止めてから、自分の考えを伝えます。

なぜこれが効くのか。話の途中で遮られると、部下は、まだ話の途中だったのに、と感じ、その後の発言を短く切り上げるようになります。最後まで聴いてもらえる、という経験の積み重ねが、次も話そうという気持ちにつながります。

  • NG:部下「今回の件なんですけど、まず状況として……」上司「あ、それってつまりAが原因ってこと?だったらこうすればいいよ」(結論を先読みして、話を打ち切る)

  • OK:部下「今回の件なんですけど、まず状況として……」上司「うん、それで?」(最後まで聴いてから、必要なら確認する)

実践のコツは、1日1回、相手が話し終えるまで、口を挟まないと決めて実践することです。まず、でも、だって、といった否定の言葉を、封印してみてください。

3. 態度と姿勢で、聴いていることを伝える

手元の資料やスマホから目を離し、相手に体を向けます。相槌のパターンを複数持ち、機械的な、はい、はい、にならないようにします。

なぜこれが効くのか。言葉では聴いているつもりでも、態度が伴っていないと、部下には、話半分に聞かれている、と伝わってしまうからです。人は、言葉より先に、相手の視線や姿勢から、聴く気があるかどうかを感じ取ります。

  • NG:パソコンの画面を見たまま、はい、はい、うん、と単調な相槌だけを返す(内容を聴いていても、聴いていないように見える)

  • OK:手を止めて体を相手に向け、そうなんだ、それでどうなった、と相槌にバリエーションをつける

実践のコツは、相槌のバリエーションを、あらかじめ3つほど用意しておくことです。そうなんだ、なるほど、それでどうなった、といった具合です。

4. 相手の言葉を、そのまま返す

相手の言葉を、言い換えずにそのまま返します。しんどい、と言われたら、しんどかったんだね、と返します。

なぜこれが効くのか。言葉を言い換えられると、部下は、自分の気持ちがそのまま受け取られなかった、と感じます。逆に、同じ言葉で返されると、ちゃんと聞いてもらえた、という感覚が生まれ、次の言葉が出やすくなります。

  • NG:部下「正直、しんどいです」上司「まあ、成長痛みたいなものだよ、頑張って」(前向きな言葉に言い換えて、感情を素通りする)

  • OK:部下「正直、しんどいです」上司「しんどいんだね」(同じ言葉で受け止める)

実践のコツは、前向きな言葉に変換したくなる気持ちを、ぐっと抑えることです。相手が使った言葉を、そのまま使ってください。

5. 話の内容を、要約して返す

相手がいくつかのことを話したら、つまり、◯◯と△△の2つが気になってる、ってことだね、と、自分の言葉でまとめて確認します。

なぜこれが効くのか。話が長くなるほど、部下自身も、何が一番の要点か、整理しきれていないことがあります。要約して返すことで、部下は、自分の話をこう受け取ってもらえたんだ、と確認でき、ずれていれば、その場で修正できます。

  • NG:長い相談を聞いたあと、「うん、分かった。とりあえず頑張って」(要点を確認せず、あいまいなまま流す)

  • OK:「つまり、スケジュールとリソース、両方が気になってる、ってことだね?」(自分の言葉で要点をまとめて確認する)

実践のコツは、ずれていても構わない、と気楽に構えることです。ずれていれば、相手が、いや、そうじゃなくて、と直してくれます。それ自体が、対話を深めます。

6. 相手のペースに、自分を合わせる

相手が話すテンポや声のトーンに、自分の話し方を合わせてみます。早口で焦っている相手には、まず同じテンポで受け止め、落ち着いてきたら、少しずつゆっくり話します。

なぜこれが効くのか。焦っている相手に、いきなりゆっくり落ち着いて、と伝えると、置いていかれたように感じさせ、かえって距離ができます。まず相手のペースに合わせることで、この人は分かってくれている、という安心が生まれ、そこから自然に落ち着いていきます。

  • NG:早口で焦っている部下に、上司だけがゆったりした口調で「まあ、落ち着いて話そうか」(ペースの差が、突き放された印象を与える)

  • OK:まず同じテンポで「それで、それで?」と受け、相手が落ち着いてきたのに合わせて、少しずつゆっくり話す

実践のコツは、急に声のトーンを変えないことです。置いていかれたように感じさせることがあります。合わせてから、少しずつ導いてください。

7. 沈黙を、気まずさで埋めない

相手が黙っても、3秒は待ちます。沈黙は、多くの場合、考えている時間です。

なぜこれが効くのか。上司が気まずさに耐えられず沈黙を埋めてしまうと、部下は、考えをまとめる時間を奪われます。とくに、慎重に言葉を選ぶタイプの部下ほど、この数秒の余白が、本音を言葉にするために必要です。

  • NG:問いを投げた直後、部下が黙ると、上司が「あ、別に今の質問は気にしなくていいから」とすぐ引っ込める(考える時間を奪ってしまう)

  • OK:問いを投げたら、心の中で3つ数えながら、黙って待つ(相手が言葉を探す時間を確保する)

実践のコツは、気まずくなったら、心の中で3つ数えることです。それだけで、相手の次の言葉を待てるようになります。

余裕が出てきたら、相手の姿勢や仕草にさりげなく合わせる、という方法もあります。ただし、やりすぎるとわざとらしくなるので、まずは1から7を優先してください。

また、傾聴を実践する最適な場が、1on1です。定期的に一対一で話す時間は、聴く練習をそのまま積める機会になります。1on1の進め方そのものは、以下の記事で解説しています。

関連記事:1on1のやり方とは?基本と本音を引き出す聞き方・質問例を会話例で解説

傾聴力が高い人の特徴(セルフチェック)

自分がいまどのくらい聴けているかは、次の項目で確かめられます。当てはまるものが多いほど、傾聴の土台ができています。

  • 相手が話しているとき、口を挟まず最後まで聞ける

  • 相づちのパターンが複数あり、機械的な、はい、はい、にならない

  • 沈黙を、気まずさで埋めずに待てる

  • 相手の言葉を、自分の言葉に言い換えずに返せる

  • 分からないことを、分かったふりをせずに聞き直せる

  • 表情や体の向きで「聴いている」が相手に伝わっている

当てはまる数が少なくても、心配はいりません。傾聴は訓練で高まるものなので、これから一つずつ増やせば十分です。

傾聴力を高める|聴けない瞬間をなくす

ここが本題です。傾聴力を高めようとすると、つい新しいテクニックを覚えようとしがちですが、効果が大きいのは逆です。多くの人は、聴く力がないのではなく、特定の瞬間に聴けなくなっているだけです。その瞬間を一つずつ減らすほうが、確実に伝わり方が変わります。

つい遮ってしまう

話の途中で「それはね」と自分が引き取ってしまう。熱心な人ほど陥りがちです。まず、話す割合を相手8・自分2くらいまで下げる意識を持ちます。

そして、相手が黙っても、3秒は待つ。沈黙は、話す気がないのではなく、考えている時間であることがほとんどです。しゃべりたくなったら、ひと呼吸おく。それだけで、相手の言葉が出る余白が生まれます。

すぐアドバイスしてしまう

相談されると、解決してあげたくて、すぐに、こうすればいい、と返してしまう。しかし、話しきる前に助言が飛んでくると、相手は、結局聞いてもらえなかった、と感じます。まずは最後まで聴く。

助言したくなったら、答えをそのまま渡すのではなく「あなたとしてはどうしたい」と問いに変えて返すと、相手が自分で考えられます。問いの立て方は、〔部下育成の方法(記事)〕でも詳しく扱っています。

大丈夫と励まして、感情を流してしまう

これが、いちばん見落とされがちな瞬間です。部下が弱音を吐いたとき「そんなことない、君ならできる」と励ます。一見やさしい対応ですが、これは「その気持ちは間違っている」と感情を否定するメッセージになりかねません。

ここで大切なのは、感情を言い換えないことです。「しんどい」と言われたら「しんどかったんだね」と、相手の言葉のまま返します。

前向きな言葉に置き換えず、まず受け止める。それだけで、相手は続きを話せるようになります。

分かったつもりで流す

うなずいてはいるが、実は理解が追いついていない。そのまま流すと、相手は、伝わっていない、と感じます。ある程度聴いたら「つまり、こういうことで合ってる?」と自分の言葉で要約して確認します。ずれていれば、相手が直してくれます。分からないところは、飾らずに聴き直す。この一手間が、深い話につながります。

一人で身につけるのが難しいと感じたら

ここまでの姿勢とトレーニングは、一人でも実践できます。ただ、自己流で続けていると、本当にこれで合っているのか、と不安になる場面も出てくると思います。

そんなときは、プロのコーチから直接フィードバックをもらう、という方法もあります。ポジウィルコーチングスクールでは、無料の個別説明会で、あなたの聴き方の状況や課題を、プロコーチに聞いてもらうことができます。

まずは、話を聞いてもらうところから始めてみませんか。

会話例|励ます聞き方から、受け止める聞き方へ

同じ場面を、2通りで比べます。部下が、この仕事は向いていないかもしれない、と漏らした場面です。

Before:励まして、感情を流す聞き方

部下「最近、この仕事、自分には向いてないのかもって思うことがあって……」

上司「そんなことないよ。君は十分やれてるし、期待してるから。もっと自信持っていいよ」

部下「……はい。ありがとうございます」

After:言い換えず、受け止める聞き方

部下「最近、この仕事、自分には向いてないのかもって思うことがあって……」

上司「向いてないのかも、って感じてるんだ。(沈黙)…そう思ったの、何かきっかけあった?」

部下「先週の顧客対応で、うまく受け答えできなくて。同期がそつなくやってるのを見ると、余計に……」

上司「同期と比べて、落ち込んじゃったんだね」

部下「はい。自分だけ、いつまでも慣れないなって」

上司「そっか。(間)その、うまく受け答えできなかった場面、もう少し聞かせてもらえる?」

部下「……本当は、事前に想定質問を用意しておきたかったんですけど、準備の時間が取れてなくて」

上司がしたのは、励ますことではなく、向いてないかも、という言葉をそのまま受け止めて、掘っただけです。感情を否定されなかったから、部下は、比較して落ち込んだこと、その裏にある準備不足という具体的なつまずきまで、自分から話せました。ここまで来れば、次に何をすればいいかは、一緒に考えられます。

それでも聴くのが難しいと感じるときは

コツを意識しても、すぐに相手が心を開くとは限りません。安心して話せる関係は、回数を重ねて育つものなので、焦らず続けることが前提です。

一方で、相手の元気のなさが続く、口数が明らかに減った、といった場合は、聴き方の工夫だけで抱え込まないことも大切です。

心身の不調が背景にあるときは、聴く技術よりも、産業医や人事、社内外の相談窓口につなぐほうが適切です。傾聴は万能ではありません。

なかなか話してくれない相手への、より具体的な関わり方は、以下の記事でまとめています。

関連記事:部下が話してくれない原因と対処法|本音を引き出す聞き方・質問例を会話例で解説

まとめ|傾聴力は、テクニックより聴けない瞬間を減らすこと

傾聴力は、才能ではなく、日々の会話で鍛えられる技術です。

  • 傾聴は、聴く(受動的でなく意識を向ける)を土台に、訊く(問いを投げる)を組み合わせる関わり方

  • 部下が本音を話しやすくなり、問題の芽にも早く気づける

  • 土台になるのは、相手の立場を理解する、良し悪しを脇に置く、分かったふりをしない、の3つの姿勢

  • 7つのトレーニングから、まずは一つだけ試してみる

  • 遮る、すぐ助言する、励まして流す、分かったつもりで流す、を減らすだけでも変わる

次の1on1では、話す割合を少し減らし、相手の言葉を、言い換えずにそのまま返してみてください。それだけで、聴こえてくるものが変わってくるはずです。

よくある質問

傾聴と、ただ聞くことは何が違うのですか。

聞くは、音として情報を受け取っている状態です。傾聴は、評価を挟まず、相手が本当に言いたいことまで意識を向けて受け止める聴き方です。同じ会話でも、相手に伝わる安心感がまったく違います。

相づちを打っていれば、傾聴になりますか。

相づちは、受け止めの入口ですが、それだけでは足りません。相手の言葉を言い換えずに返す、途中で遮らない、分からないことは聴き直す、といった姿勢が加わって、初めて傾聴になります。

沈黙が気まずくて、つい自分が話してしまいます。

相手が黙るのは、多くの場合、考えている時間です。問いを投げたら、3秒だけ待ってみてください。先に埋めてしまうと、相手の言葉は出てこなくなります。

傾聴に徹すると、自分の意見が言えなくなりませんか。

意見を言ってはいけないわけではありません。順番の問題です。まず相手が話しきるまで聴き、受け止めてから、自分の考えを伝えます。先に聴くほうが、こちらの意見も届きやすくなります。

「聴く」技術は、体系的に学ぶとさらに深まります

ここまで、傾聴の土台となる姿勢と、7つのトレーニングをお伝えしてきました。これらは、コーチングという分野で体系化されている技術の一部です。

自己流の聴き方は、うまくいく相手とそうでない相手が出てきます。体系的に学ぶと、相手の状態や関係性に合わせて、聴き方や問いの深め方を、その場で選べるようになります。

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