
部下育成について調べると、目標を設定する、仕事を任せる、フィードバックするといった方法論はたくさん出てきます。おそらく、あなたもすでに一通り読んだのではないでしょうか。
結論からお伝えします。それでも部下が育たないと感じるなら、原因は知識の不足ではなく、日々の対話の質にあります。
同じ1on1でも、部下が本音を話して自分で考え出す対話と、当たり障りのない報告で終わる対話とでは、育成の効果はまったく違うのです。
そして、自分のやり方が正しいのか、と不安になるのは、初めて部下を持つ人なら自然なことです。
この記事では、部下育成の基本のポイントと指導法を押さえたうえで、成果を最も左右する部分、つまり部下の本音を引き出す聞き方、自分で考えさせる問いの立て方、そして部下の強みを言葉にする型を、会話例とそのまま使える例文まで、具体的に解説します。
なぜ部下育成が、こんなに難しいのか
部下育成は、部下個人の成長にとどまらず、チームの生産性や、将来の中核人材を育てるという意味で、組織にとって重要な取り組みです。
一方で、多くの管理職は、あるギャップにぶつかります。自分自身がプレイヤーとして成果を出せるスキルと、部下を育てるために必要なスキルは、別物だということです。
目標設定、フィードバック、コーチングといった育成のスキルを、体系立てて学ぶ機会がないまま、部下を任される人は少なくありません。
私たちがこれまで、50,000人以上のキャリア支援を通じて接してきた管理職の方々も、多くがこの壁にぶつかっていました。
学ぶ機会がないまま育成に取り組むと、自分の成功体験を、そのまま部下に当てはめてしまいがちです。しかし部下の個性や状況は、一人ひとり違います。画一的な指導では、部下の強みを活かしきれず、成長の機会を狭めてしまいます。
こうした支援の中で磨いてきた、本音を引き出す聴き方・問い方の技術を、この記事の後半で具体的にお伝えします。より体系的に知りたい方向けに、公式LINEでも無料でお渡ししているので、あわせてご案内します。
部下育成の基本ポイントと指導法
本題の対話の技術に入る前に、部下育成の基本ポイントと、代表的な指導法を押さえておきます。以降で解説する技術は、この土台の上で初めて効いてきます。
部下育成の流れは、大きく3つの段階で捉えると整理できます。まず、部下を理解し把握する。次に、その持ち味が活きる役割と機会を用意する。そして、双方向の対話とフィードバックで伸ばす。この理解、機会、対話という3段階を、以下では具体的な手順に落として見ていきます。
押さえておきたい3つの基本ポイント
ゴールは、自走できる部下に置く
上司の手が離れることではなく、部下が自分で考えて動けるようになることを目的にします。
関わり方は、一人ひとり変える
経験やスキル、志向によって、最適な接し方は異なります。全員に同じやり方を当てはめると、どこかで無理が出ます。
成果は、中長期で捉える
育成は数週間で完結しません。短期の失敗を責めず、成長の過程として見守ります。
育成の基本ステップ
一般的な部下育成は、次の5ステップで進みます。それぞれで、具体的に何をするか、そして聞く力・問う力をどう使うかまで踏み込んで見ていきます。詳しい聞き方・問い方の技術は、このあとで解説します。
1. 現状把握と目標設定
まず部下の現在地、できること・苦手なこと・本人がやりたいことを把握します。そのうえで、達成可能だが少し背伸びが必要なレベルの目標を、上から与えるのではなく、本人と対話しながら合意します。
このとき、いきなり得意なことは何かと聞いても、答えは出てきません。最近の仕事の中で、一番やりやすかったのはどれ、から入り、逆に、どこが引っかかった、そして、じゃあ次はどこを目指したい、という順で聞くと、本人も気づいていなかった現在地が、少しずつ言葉になっていきます。
事実から入り、引っかかりに触れ、次への意欲へつなげる。この順番が、現状把握の型です。
目標は、たとえば、この業務を一人で完結できるようになる、この分野で後輩に教えられるようになる、といった、具体的で本人にも分かる言葉にします。
2. 期待役割のすり合わせ
この仕事のどこまでを、どの程度の裁量で任せたいのかを、言葉にして伝えます。ここが曖昧だと、部下はどこまで踏み込んでよいか分からず、動きが小さくなります。
伝えるだけでなく、ここまでは自分で判断していいと思う、と問いかけて、本人の認識とのズレを先に確認しておくと、後の行き違いが減ります。任せる範囲と責任の所在は、セットで共有するのがポイントです。
3. 仕事を任せて経験させる
人は、経験から最も成長します。取り返しのつくリスクの範囲を見極め、安全に失敗できる状況を用意したうえで任せます。
任せている最中に不安になっても、進捗どうと結論だけを聞くのではなく、今どこまで進んでる、困っているところはある、と、事実から聞きます。
口を出したくなったら、まず一呼吸置いて、問いに変えてみてください。不安から口を出しすぎると、部下は挑戦しなくなります。
4. フィードバック
やる気などの主観ではなく、観察できる事実にもとづいて伝えます。できている点を具体的に認めたうえで、次に変えてほしい行動を一つに絞って伝えると、部下は受け取りやすくなります。
伝えて終わりにせず、今の話、どう受け止めた、と一言添えると、フィードバックが一方通行でなく、対話になります。
5. 振り返りの支援
やりっぱなしにせず、経験を学びに変える時間をつくります。うまくいったで終わらせず、何がうまくいった、次に同じ場面が来たらどうする、と、事実から教訓へ、そして次の行動へとつなげる順で問いを重ねます。上司が答えを教えるのではなく、本人に言語化させるのがコツです。
代表的な指導法
相手や場面に応じて、次の指導法を使い分けます。どれか一つに頼るのではなく、組み合わせて使うのが基本です。
OJT(実務を通じた育成)
日常業務のなかで、実際に仕事を任せながら指導する、最も基本的な方法です。効果を出す鍵は、放置や丸投げにしないこと。任せる前に目的とゴールを共有し、要所で声をかけて軌道修正します。
Off-JT(実務を離れた学習)
研修やセミナーなど、現場だけでは学びにくい知識や考え方を、体系的に補う方法です。OJTで得た断片的な経験を、汎用的なスキルとして整理し、定着させたいときに効果を発揮します。
1on1(定期的な対話)
週次や隔週で、上司と部下が一対一で話す時間を固定します。進捗確認だけの場にせず、部下の考えやつまずき、モチベーションを聞く場にするのがポイントです。ほかの指導法をつなぐ土台になります。
ティーチングとコーチングの使い分け
まだ習熟していない段階では、具体的に教えるティーチングが必要です。ある程度できるようになったら、問いかけて本人に考えさせる関わりへ、比重を移します。相手の習熟度に合わせて、教える割合と問う割合を変えるのがコツです。
これらは、いわば育成の道具箱です。ただし、どの指導法も、結局は上司と部下の対話の質によって効果が決まります。
状況・タイプ別|よくある困りごとへの対処
基本の手順は分かっても、実際の現場では、部下ごとに個別の困りごとがあります。よくある5つのケースと、聞く・問うの技術をどう当てはめるかを見ていきます。
指示待ちで、自分から動かない部下には
次は何をすればいいと思う、と、答えを与えず一歩手前で問いを止めます。できたら、その都度小さく認める。これを繰り返すと、少しずつ自分で判断する幅が広がります。
言われたことしかやらない部下には
期待役割のすり合わせ(ステップ2)を、丁寧にやり直します。ここまでは任せていい、という線引きを、本人の言葉で確認し直すと、動ける範囲の認識が変わります。
何度も同じミスをする部下には
頭ごなしに注意する前に、そのとき、どういう判断をした、と事実を聞きます。本人の判断の癖が見えてから、対処を一緒に考えます。
ミスを認めず、言い訳が先に立つ部下には
失敗そのものでなく、今回、難しかったのはどこ、と難所を聞く形にします。責められていると感じにくくなり、防御的にならずに話しやすくなります。
年上の部下には
指導という上下関係でなく、敬意を前提にします。これまでのやり方で、活かせそうなところはどこ、と、相手の経験を引き出す問いを軸にします。
これらは、次に解説する聞く力・問う力を、具体的な状況にどう当てはめるかの実例です。技術そのものの詳しい解説は、このあと紹介する記事でさらに深く扱っています。
経験からの学び
育成の効果は、研修だけでなく、実際の経験と、上司や周囲からの関わりの組み合わせで生まれる、と言われています。だからこそ、どんな経験をさせるかという視点を持って育成にあたることが、効果的な部下育成につながります。
多くの上司が見落とす、本当のボトルネック
ここまでの基本ポイントと指導法は、どの解説でも共通しています。それでも部下が育たないと感じるなら、原因は手順ではなく、それを支える対話にあります。
目標設定も、フィードバックも、振り返りも、すべて上司と部下の対話を通じて行われます。部下が心を開いて考えを話してくれなければ、上司の独り相撲で終わります。
部下が育たない、何を考えているか分からないという悩みの多くは、手順の問題ではなく、対話の中で部下の思考と本音を引き出せていないことに原因があります。
実際、私たちが支援の現場で受けてきた、部下が育たないという相談の多くも、手順ではなく対話に原因がありました。
つまり、部下育成の方法を機能させる土台は、細かいテクニックの前に、聞く力と問う力にあります。ここからは、この2つに、部下の強みを言葉にする力を加えた3つを、実技レベルで解説します。
部下育成の土台になる3つの技術
聞く力(傾聴):部下がこの人には安心して話せると感じ、本音や引っかかりを口に出せる状態をつくる技術。
問う力(問いの立て方):答えを与える代わりに問いを投げ、部下自身が考え、気づき、次の一手を決められるように導く技術。
言葉にする力(強みの引き出し):部下自身も気づいていない持ち味やスキルを、具体的な言葉にして返す技術。
この3つが土台にあると、目標設定も振り返りも自然に回り始めます。逆にここが弱いと、どんな手法もうまく機能しません。順に、明日から使えるレベルで見ていきます。
【実技①】部下が本音を話し出す聞き方
この実技で意識したいのは、上司が答えを出すことではなく、部下自身に話しきってもらうことです。部下が話し、あなたが最後まで聴ききると、部下は自分の言葉を自分の耳で聞きながら、考えを整理していきます。
聞き方の要点は、上司が話す割合を、全体の2割ほどに抑えること。そして、部下の言葉をそのまま返す伝え返しと、考えている時間としての沈黙を、待つことです。
短い場面で見てみます。
部下「ちょっと今、立て込んでいて」
上司「立て込んでるんだね。(間)」
すぐに助言せず、ひと呼吸置くだけで、部下は続きを話し出すことがよくあります。
この、聴く力の詳しい実践方法、やってはいけない聞き方まで含めた具体的な技術は、以下の記事でくわしく解説しています。

関連記事:傾聴力の高め方とは?部下の本音を引き出す聴き方のコツと、聴けない癖の直し方
【実技②】部下が自分で考え出す問いの立て方
聞く姿勢ができたら、次は問いです。問いの質が、部下が自分で考える深さを決めます。ポイントは、なぜより、何・どうから入ること。そして、はい・いいえで終わる質問より、部下が自分の言葉で答える質問を選ぶことです。
短い場面で見てみます。
上司「なんで遅れたの」ではなく 上司「今、どこまで進んでる 」
部下「Aは終わって、Bで止まってます」
上司「Bのどこが引っかかってる」
事実から入ると、部下は責められた感じを持たずに、状況を話せます。そのまま使える問いの例、場面別の質問のレパートリーは、以下の記事にまとめています。

関連記事:すぐ使える1on1の質問例50|目的別リストと、会話が続く受け方
【実技③】部下の強みを言葉にする
育成で見落とされがちなのが、この3つ目です。部下は、自分の強みを自分では意外と分かっていません。
上司が具体的な言葉にして返すと、本人の自信になり、どこで力を発揮すればよいかも見えてきます。ここでは、頑張っているといった曖昧な称賛を、具体的な強みの言葉に翻訳する型を、記入例つきで紹介します。
経験から掘り起こす(持ち味ヒアリング)
強みは、抽象的に聞いても出てきません。やりがいを感じた仕事や、長く続けてきた仕事という具体的な経験から掘り起こします。
そのとき、何を、どうやったのか(What・How)を聞くと、その人の持ち味が見えてきます。
さらに、なぜそうしたのか(Why)を聞くと、その人が大事にしている価値観や、何があれば頑張れるかというモチベーションの源泉が浮かび上がります。
ここで扱うのは、あくまで仕事の中での経験です。私生活や生い立ちにまで踏み込む必要はありません。
実績を、STARで分解する
一つのエピソードを、次の4つの順で聞くと、強みが具体的に立ち上がります。
S(状況):どんな状況で、どんな役割を担っていたか。
T(課題):その状況で、どんな課題があったか。
A(行動):課題に対して、どう動いたか。ここで、その人ならではの工夫にスキルが表れます。
R(結果):その結果、何が得られ、周囲にどんな影響があったか。
とくに大切なのはAです。同じ課題でも、人によって取る行動は違います。その違い、つまり工夫したこと、意識したことにこそ、その人のスキルと価値観が表れます。
なぜその動き方を選んだのかまで聞くと、行動の裏にある価値観まで言葉にできます。
スキルは、3層で捉える
スキルと一括りにすると、専門知識のことだと思われがちですが、実際は3つの層に分かれます。
テクニカルスキル:業務を遂行するための専門知識。職種に固有のもの。
ポータブルスキル:どの環境でも使える力。仕事の進め方や人との関わり方など。
スタンス:働くうえでの考え方や持ち味。その人の姿勢の土台。
育成で見落とされやすいのは、下の2層です。専門知識だけを見て評価すると、部下の本当の強みを取りこぼします。STARの行動から見えてくる工夫の多くは、このポータブルスキルとスタンスの層にあります。
持ち味に、名前をつける
引き出した強みは、具体的な言葉にして返すと本人に届きます。頑張っている、で終わらせず、次のような語彙から、その人に合う言葉を選んでみてください。
対人力:主張力・説得力・統率力(推し進める力)/傾聴力・受容力・支援力・協調力(相手に合わせる力)
対課題力:試行力・変革力・機動力・発想力(創造的思考)/計画力・推進力・分析力(論理的思考)
対自分力:決断力・瞬発力・冒険力(即決タイプ)/忍耐力・持続力・規律力・慎重力(慎重タイプ)
たとえば、締め切り直前でも段取りを崩さずやりきった部下には、計画力や持続力という言葉が合います。抽象的な称賛より、具体的な一語のほうが、本人の記憶にも自信にも残ります。
持ち味を言葉にした記入例
STARで分解した経験を、実際にどう言葉にして返すか、いくつかの場面で見てみます。
締切直前でも段取りを崩さずやりきった → 「土壇場でも計画力と持続力を発揮できるところが、あなたの強みだね」
初対面の相手ともすぐに打ち解け、要望を引き出せた → 「相手の懐に入る対人力と、話を引き出す傾聴力があるね」
前例のない仕事で、自分なりのやり方を見つけ出した → 「型がない中でも、自分で試しながら進める試行力があるね」
周囲を巻き込みながら、期限までにプロジェクトをまとめきった → 「人を動かす統率力と、最後までやり抜く推進力が光っていたね」
抽象的な称賛より、具体的な一語のほうが、本人の記憶にも自信にも残ります。
【無料プレゼント】本音を引き出す技術(公式LINEで受け取れます)
ここまで、聞く力・問う力・強みを言葉にする力を、実技として解説してきました。これらの技術を、相手の状態に合わせてどう使い分けるか、そして過去・現在・未来の視点で相手の考えをどう引き出すかまで、もう一段体系立ててまとめた資料を、公式LINEにご登録いただいた方に無料でお渡ししています。
明日からの1on1や日々の関わりに、そのまま活かせる内容です。
会話例で見る|詰める1on1から引き出す1on1へ
同じ、進捗が遅れている部下との1on1を、2つのやり方で比べてみます。
Before:詰める1on1(部下が口を閉じる)
上司「例の件、なんで遅れてるの?」
部下「すみません、少し立て込んでいて…」
上司「立て込んでるのはみんな同じだよ。優先順位つけないと。まずAを今日中にやって、Bは明日ね。分かった?」
部下「…はい、分かりました」
一見、指示が明確で効率的に見えます。しかし部下は、叱られた、指示された、だけで、なぜ遅れたのかも、次どうするかも、自分では考えていません。次も同じことが起きます。
After:引き出す1on1(部下が自分で考える)
上司「例の件、いま、どこまで進んでる?」
部下「Aは終わっていて、Bで止まっています」
上司「Bで止まってるんだね。(沈黙)…一番のネックはどこ?」
部下「…実は、必要な情報がどの部署にあるか分からなくて、聞きに行けずにいました」
上司「なるほど。じゃあ、それを解くには何から手をつける?」
部下「明日の朝いちで、まず〇〇さんに聞いてみます」
問いと沈黙だけで、部下は自分でボトルネック(どこに情報があるか分からず動けなかった)を言語化し、次の一手を自分で決めました。これが引き出す対話です。上司がした指示は、ひとつもありません。
場面別|聞く・問う・強みを育成の各場面にどう使うか
この3つの技術は、育成のあらゆる場面に効きます。
目標設定:上司が数字を割り振るのではなく、どんな状態を目指したい、と問い、本人の言葉で目標を描かせる。上から与えず本人が納得して合意することが、主体性を生みます。
仕事の任せ方:任せた後に口を出しすぎず、困っていることはある、と聞く姿勢で見守る。放置とは違い、対話は保ちます。
フィードバック(褒め方・叱り方):事実にもとづいて伝えるだけでなく、実技③で引き出した持ち味や価値観に関連づけて返すと、根拠のある具体的なフィードバックになります。
あなたの計画力が、この場面で効いていた、というように、強みと事実をひもづけると深く残ります。あわせて、自分ではどう振り返ってる、と問い、本人の内省とセットにします。
振り返り:何がうまくいった、次に同じ状況ならどうする、と問い、経験を本人の学びに変換する。
手順(What)は他社記事と同じでも、そこに聞く・問う・言葉にする(How)が乗ると、育成の質が変わります。
タイプ別のヒント(若手・中堅・年上部下)
関わり方は相手によって調整します。
若手部下:判断の型がまだないため、問いだけでは手が止まりがち。基準や手本を示しつつ、小さく任せて成功体験を積ませます。
中堅部下:ある程度任せ、裁量とやや高い目標で伸ばします。問いで視点を広げる関わりが効きます。
年上部下:指導という上下ではなく、敬意を前提に、役割として関わります。相手の経験を引き出す問いが有効です。
部下育成でよくある失敗と対処法
最後に、陥りがちな失敗を4つ確認します。
マイクロマネジメント:細かく管理し、考える力を奪う。→ 任せる範囲を決め、要所だけ見る。
放任:任せると言って放置する。→ 任せることと放置は別。対話は必ずセットで持つ。
やり方の押し付け:自分の成功体験を強要する。→ ゴールは共有し、やり方は本人に選ばせる。
面談の後回し:忙しさで1on1が消える。→ 育成は、重要だが緊急でない領域。先に予定を固定して守る。
育てた強みを、今の仕事で活かす
強みや価値観が言葉になったら、それを今の仕事につなげます。ここが、育成を実際の成果に変える最後の一手です。
明らかになった価値観・スキル・強みを、今の仕事に照らして、満たされている部分と満たされていない部分、活かせている部分と活かせていない部分に分けて整理します。
そのうえで、どうすれば今の職場でもっと活かせるかを、部下と一緒に考えます。転職を前提にするのではなく、現職で活躍の幅を広げる方向で対話するのが、上司の役割です。
このとき覚えておきたいのは、待遇や環境の不満をつぶすことと、やりがいを生むことは別だということです。
給与や労働環境といった不満は、解消しても満足そのものにはつながりにくい一方で、達成感や承認、責任のある仕事、成長の実感は、やりがいを直接生みます。
不満をなくすだけで終わらせず、部下の強みが活きる役割や、手応えを感じられる仕事を、意識して渡していきましょう。
まとめ|部下育成の方法は、教える技術より引き出す対話の技術
部下育成の方法として手順は大切ですが、それを機能させるのは、日々の対話における聞く力・問う力・言葉にする力です。
上司が黙り、話す:聞く=2:8を意識する
伝え返しと沈黙で、本音を引き出す
なぜより、何・どう、開いた問いで考えさせる
アドバイスは、問いの形に変えて渡す
経験を掘り、工夫と結果から、部下の強みを具体的な言葉にして返す
まずは次の1on1で、いつもより聞く時間を増やし、指示をひとつ問いに変えてみてください。部下が自分で考え出す手応えを、きっと感じられるはずです。
自分だけのキャリアを、
自分でデザインする力を身につけませんか?
ポジウィル
コーチングスクールPOSIWILL COACHING SCHOOL
「ポジウィルコーチングスクール」は、35,000人以上のポジウィルキャリアの支援実績をもとに開発されたオリジナルプログラムを通じて、自分自身でキャリアを考え、行動し続ける力を育てます。一度学べば、どんな仕事に就いても、どんな人生の転機が訪れても、自分らしくキャリアを築いていくことができる、一生役立つスキルが身につきます。
こんな人におすすめ
- 自分自身で悩み解決やキャリア設計をしていきたい
- コミュニケーションスキルを高めたい
- 将来マネジメントにチャレンジしたい
- 人材業界や人事にキャリアチェンジを考えている



