
本当は少し休みたい。でも、休もうとすると罪悪感がわいてくる。
休みたいと思う一方で、こんなことで休むなんて甘えなのかもしれない、周りに迷惑をかけてしまう、と自分を責めてしまう。
休むという選択肢が頭に浮かんでいるのに、あと一歩が踏み出せない。
もしそうだとしたら、あなたはきっと、これまで真面目に、一生懸命に走ってきた方なのだと思います。
この記事では、そんなあなたに向けて、臨床心理士・公認心理師の大塚紀廣先生(ガッツ先生)のお話をうかがいながら、休むことは決して逃げではないということ、そして少し立ち止まったその先をどう考えればいいのかを、一緒に見ていきます。
一人で抱え込まなくて大丈夫です。まずは肩の力を抜いて、読み進めてみてください。
- 休みたいのに休めないのは、あなたが真面目に頑張ってきた証拠です
- 休む=サボり・逃げという思い込みが、あなたを縛っている
- もっと大変な人がいる、と考えなくて大丈夫です
- しんどいと感じたこと自体が、立ち止まっていいサインです
- 心理士が語る、休むことは逃げではない理由
- 忙しいときほど、一度立ち止まったほうが判断の精度は上がる
- 戦略的に休む・しゃがむのは、むしろ勇気がいる行動
- 休むことは、その先の行動に必ず役立つ
- これって休むべきサイン?迷ったときの見分け方
- 体に出るサインに気づく
- 1〜3週間続くなら、心と体からのメッセージかもしれません
- 趣味も楽しめない、それも見逃せないサインです
- 少し立ち止まると決めたら、まずやってほしいこと
- 解決策を探す前に、今の気持ちを整理してみる
- 一人で抱えず、信頼できる誰かにそっと話してみる
- 休んだ、その先のこれからをどう考えるか
- 立ち止まった、その先を一緒に考えませんか
休みたいのに休めないのは、あなたが真面目に頑張ってきた証拠です
まず知っておいてほしいのは、休みたいのに休めないという状態そのものが、あなたが手を抜かずに走ってきたことの表れだということです。
怠けたい人は、休むことに罪悪感なんて覚えません。休みたいと思う自分を責めてしまう。その責任感の強さこそが、あなたがこれまで頑張ってきた何よりの証拠です。
休む=サボり・逃げという思い込みが、あなたを縛っている
休むことへの罪悪感の正体は、多くの場合、休む=サボり、立ち止まる=逃げ、という思い込みです。
まだやれるはずなのに休むなんて、周りが頑張っているのに自分だけ、と考えてしまう。
けれど、その思い込みは本当に正しいのでしょうか。この後お伝えするように、休むことは後ろ向きな行為ではなく、むしろ前に進むための積極的な選択にもなり得ます。
まずは、休む=悪いことという等式を、いったん脇に置いてみてください。
もっと大変な人がいる、と考えなくて大丈夫です
休むかどうかを迷うとき、多くの人が、自分よりもっと大変な人がいる、自分なんてまだ甘い、と考えてしまいます。そうやって、自分の辛さを後回しにしてしまう。
この点について大塚先生は、他人と比べる必要はないと話します。
大切なのは、他の誰かと比べることではなく、自分の中の絶対基準で見ること。これまで生きてきたなかで、これはしんどいぞと感じるレベルに達したのなら、それはもう立ち止まっていい状態なのだそうです。
あなたの辛さは、誰かと比べて大きいか小さいかで決まるものではありません。あなたがしんどいと感じたなら、それがすべてです。
しんどいと感じたこと自体が、立ち止まっていいサインです
自分は本当に休むべきなんだろうか。そう迷うこと自体が、実はすでに疲れているサインかもしれません。
大塚先生によれば、休みたいという主観的な感覚は、意外と正しかったりするといいます。
心や体の限界は、骨折のように目に見えるわけではありません。だからこそ、自分の内側から出てくるしんどいという声を、軽く扱わないでほしいのです。
その感覚は、あなたを守るために出てきているのですから。
心理士が語る、休むことは逃げではない理由
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。休むことは逃げではない。それはなぜなのか、大塚先生の言葉とともに見ていきます。
忙しいときほど、一度立ち止まったほうが判断の精度は上がる
忙しいときこそ手を止めてはいけない。そう考えている方は多いかもしれません。でも、大塚先生の見立ては逆です。
忙しいときほど、逆説的だけれど、一度立ち止まって冷静に考えたほうが、判断の精度は高くなるはずだと大塚先生は言います。
走り続けたまま下した判断より、いったん落ち着いて考えた判断のほうが、結果的に良い方向に向かいやすい。焦っているときほど、視野は狭くなっているものです。
戦略的に休む・しゃがむのは、むしろ勇気がいる行動
立ち止まることを、弱さや後退だと感じる必要はありません。むしろ逆だと大塚先生は語ります。
一旦止まってみよう、しゃがんでみよう、休養を取ってみよう。そう決めることは、走り続けるよりもずっと勇気がいる行動なのだそうです。
周りが動いているなかで、自分だけ立ち止まる。それを選べるのは、弱いからではなく、自分の状態を見つめる強さがあるからです。
休むことは、その先の行動に必ず役立つ
そして何より大切なのは、休むことが終わりではないということです。
休むことは逃げではないし、一度立ち止まって考えて、そこからまた行動を考えてみる。それは心理士としても推奨したいことだと大塚先生は話します。
立ち止まるのは、止まったままでいるためではありません。中長期的に見れば、そこでの休息や整理が、その先の行動にちゃんと役立っていく。
休むことは、次の一歩を確かなものにするための準備なのです。
過去に休職や体調を崩した経験があって、また立ち止まることが怖いと感じる方もいるかもしれません。
でも、戦略的に立ち止まることは、あのときへ逆戻りすることとは違います。自分の意思で、次に進むために選ぶ休息です。
これって休むべきサイン?迷ったときの見分け方
とはいえ、自分が本当に休むべき状態なのか、自分では判断しづらいものです。ここでは、心と体が発するサインを簡単に見ていきます。
体に出るサインに気づく
心と体はつながっています。しんどさを抱えていると、それは体の不調として現れてくることが多いもの。
頭痛や胃腸の不調、寝つきの悪さ、早朝に不安とともに目が覚めてその後眠れない、食欲がなくなる、あるいは食べすぎてしまう。
こうした変化は、心からのサインであることがあります。
なお、こうした身体的な不調が続く場合は、我慢せず、医療機関(心療内科・内科など)への相談も検討してください。この記事は診断に代わるものではありません。
1〜3週間続くなら、心と体からのメッセージかもしれません
一時的な緊張なら、心配はいりません。大事な会議の前日に眠れないのは自然なことです。
気にかけたいのは、特別な出来事がないのに、あるいはイベントが終わった後も、不調が1〜3週間ほど続いている場合です。
大塚先生によれば、通常なら3日もあれば元に戻るはずのものが、なんとなくずっと続いているというのは、それ以前から積み重なった疲れが影響している可能性があるといいます。
趣味も楽しめない、それも見逃せないサインです
見落としやすいのが、感情の動きの変化です。これまで楽しめていた趣味に、なぜか気が乗らない。やってみても疲れるだけで、心が動かない。
そんな状態も、疲労が蓄積しているサインのひとつかもしれません。
サインについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
頑張りたいのに頑張れないあなたへ|それは甘えではなく心と体のサインかもしれません

少し立ち止まると決めたら、まずやってほしいこと
休んでみよう、少し立ち止まってみよう。そう思えたら、次にやってほしいことがあります。
解決策を探す前に、今の気持ちを整理してみる
真面目な人ほど、この状況をどう解決するか、次に何をすべきか、と答えを急ぎがちです。でも大塚先生は、その手前に大事なステップがあると言います。
それが、現状整理です。解決策を出すのは二の次で、まずは今の自分の気持ちや状況を、そっと言葉にして出してみる。
仕事ができる人ほど、すぐにToDoを考えたくなりますが、その前に、自分は今どう感じているのかを、ただ眺めてみる時間が必要なのだそうです。
一人で抱えず、信頼できる誰かにそっと話してみる
頑張れる人ほど、自分がやるしかないと抱え込んで、視野が狭くなり、袋小路に入り込みやすい。
だからこそ、信頼できる誰かに、今の状況や思いをそっと出してみることが大切だと大塚先生は話します。
どうすればいいか答えをもらうためではなく、ただ話してみる。それだけでも、狭くなっていた視界がふっと広がることがあります。
少し見渡してみれば、心配してくれる人や頼りになる人は、案外いるものです。頑張らなきゃ、自分しかいないと思い込むと、その人たちが見えなくなってしまいます。
一度ひと息ついて、目線を上げてみてください。
休んだ、その先のこれからをどう考えるか
そして、少し立ち止まって心と体が落ち着いてきたら、もう一歩先のことも考えてみてほしいのです。
そもそも、どうしてこんなに頑張り続けてしまったのだろう。この働き方を、この先もずっと続けていくのだろうか。今の会社に残るのか、環境を変えるのか、それとも一度じっくり自分と向き合うのか。
休むことは、こうした問いと向き合うきっかけにもなります。
休むことは、単なる休息では終わりません。これまで、敷かれたレールや周りの期待に応えることを優先してきた方にとっては、自分はどうしたいのかを、自分の手に取り戻す入り口にもなり得るのです。
立ち止まった、その先を一緒に考えませんか
一度立ち止まってみたけれど、この先どうすればいいのか、一人ではなかなか答えが出ない。仕事のことだけでなく、これからの生き方まで含めて、頭のなかがぐるぐるしている。
もしそう感じているなら、その整理を、私たちと一緒にやってみませんか。
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