
育休からの復帰が近づき、なんとなく不安を感じている。そんな状態ではないでしょうか。結論からお伝えすると、その不安の多くは、コントロールできる対処と、事前の確認で、かなり和らげることができます。
自分だけがうまくやれないのでは、と思うかもしれません。でも、そう感じるのは、あなただけではありません。この記事では、育休復帰前によくある不安を簡潔に整理したうえで、今すぐ取れる対処法と、復帰前後に確認しておきたい流れ・制度を、具体的に解説します。
- 育休復帰前に不安を感じるのは、多くの人に共通すること
- なぜ不安になるのか|よくある不安
- 以前のように働けるか
- 頑張りが、数字で見えない焦り
- 子・パートナー・職場への罪悪感
- 制度や環境への不安
- 今すぐできる、不安への対処法
- 1. 不安の中身を、コントロールできる・できないに分ける
- 2. 「完璧」を目指さない基準を、具体的に決めておく
- 3. 頑張りを、自分で記録して可視化する
- 4. 罪悪感を、紙に書いて外に出す
- 5. 話す相手を、あらかじめ1人決めておく
- 6. 復帰後の1日を、時間を入れて書き出す
- 復帰前後に確認しておきたい、流れと制度
- 復帰の数ヶ月前|情報収集と環境づくり
- 復帰の直前|仕事の整理と職場への共有
- 復帰直後によくあること
- これから妊娠・出産を考えている人へ
- それでも、どうしても難しいと感じたら
- 一人で抱え込まず、話してみる
- まとめ
育休復帰前に不安を感じるのは、多くの人に共通すること
育休復帰前に不安を感じるのは、決して特別なことではありません。厚生労働省の調査でも、出産後に仕事を続ける人は53.8%まで増えている一方、出産を機に退職する人も23.6%います。仕事と育児の両立が、多くの人にとって、現実的に難しい岐路になっているということです。

大切なのは、その不安をゼロにしようとしないことです。不安を消そうとするほど、かえって不安に意識が向いてしまいます。それよりも、コントロールできることに目を向ける。この記事は、その具体的な方法を、順番にお伝えしていきます。
なぜ不安になるのか|よくある不安
まずは、不安の中身を整理します。自分がどれに近いかを確かめるだけでも、もやもやしていた気持ちが、少し輪郭を持ってきます。
以前のように働けるか
長く現場を離れたぶん、感覚を取り戻せるか、周りについていけるか、という不安です。次のようなことが頭をよぎるなら、この不安に当てはまります。
業務の進め方や、社内のツールを忘れていないか心配になる
休んでいる間に、周りが先に進んでいるように感じる
以前と同じペースで、残業や急な対応ができるか自信がない
厚生労働省のデータによると、女性の育休取得率は84.1%、そのうち9割以上が6か月以上取得しています。長期間、仕事を離れるからこそ、戻れるだろうかという不安は、育休を取る多くの人が感じているものです。

頑張りが、数字で見えない焦り
仕事は、成果や評価という形で、頑張りが目に見えます。一方、育児は、子どもの体重くらいしか、分かりやすい指標がありません。次のような感覚があるなら、この焦りに当てはまります。
一日中動き続けているのに、何かを達成した実感がない
仕事をしていたころの自分と比べて、価値が下がった気がする
大人と話さない日が続き、社会から切り離されたように感じる
自分が頑張っている実感を得にくく、社会から取り残されているような焦りにつながりやすいのです。
子・パートナー・職場への罪悪感
子どもを預けることへのうしろめたさ、家事や育児を十分にできていないことへのパートナーへの申し訳なさ、そして職場に迷惑をかけているのではという気兼ね。次のような気持ちに、覚えはないでしょうか。
子どもを預けて働くことに、うしろめたさを感じる
家事や育児をパートナーに任せる場面で、申し訳なさが先に立つ
早退や急な欠勤で、職場に迷惑をかけていると感じる
一つひとつは小さな気兼ねでも、いくつも重なると、常に何かに謝っているような感覚になります。
制度や環境への不安
時短勤務や在宅勤務といった制度が、実際にどこまで使えるのか。職場は理解してくれるのか。次のような点が、はっきりしないままになっていないでしょうか。
時短勤務やテレワークを、実際に使っている人が周りに少ない
急に休んだときの、周囲の反応が読めない
復帰後の働き方について、上司とまだ具体的に話せていない
復帰してみないと分からない部分が多く、そこに漠然とした不安が生まれます。
自分がどの不安に近いか、見えてきたでしょうか。ここからは、具体的にどうすればいいかを見ていきます。
今すぐできる、不安への対処法
不安をなくすことはできなくても、コントロールできることに目を向ければ、着実に前に進めます。ここでは、今日から試せる6つの対処法を、具体的なやり方とあわせて紹介します。
1. 不安の中身を、コントロールできる・できないに分ける
まず、頭の中にある不安を、紙やスマホに、思いつくまま書き出してください。5分でかまいません。書けるだけ書いたら、次の2つに仕分けします。
自分の行動で変えられること(例:引き継ぎ資料を作る、時短勤務を申請する、保育園の情報を集める)
自分の行動では変えられないこと(例:子どもが体調を崩すかどうか、職場の反応、社会の空気)
仕分けが終わったら、変えられることのリストから、今日中にできそうな一つだけを選び、実際に手をつけてみてください。たとえば、引き継ぎ資料を作るなら、まず目次だけ作る、でも十分です。変えられないことは、いったん脇に置いてかまいません。悩んでも答えが出ないものは、考える対象から外す、と決めるだけで、頭の中の負荷が減ります。
2. 「完璧」を目指さない基準を、具体的に決めておく
完璧な母、完璧な社員でなくていい、と言われても、具体的にどうすればいいか分からない、という方も多いはずです。おすすめは、あらかじめ、今日はここまでできればOK、というラインを、具体的に決めておくことです。
たとえば、平日の夕食は、品数を増やさず、主菜と汁物だけで良しとする。掃除は、週に1回、目につく場所だけでいい。仕事も、その日必ずやることを3つまでに絞り、それ以外は翌日に回す。
このように、あらかじめ基準を数字や具体例で決めておくと、その場その場で、自分を責めずに判断できるようになります。基準を下げることは、手を抜くことではなく、続けるための工夫です。
3. 頑張りを、自分で記録して可視化する
仕事のように成果が見えないなら、自分で見える形を作ってしまう、という方法があります。やり方はシンプルです。夜、寝る前の1分でいいので、今日できたことを1つだけ、スマホのメモに書き出してください。
子どもを泣かせずに寝かしつけられた、でも、仕事のメールに1本返信できた、でもかまいません。
1週間続けると、7つの、できたことのリストができます。
数字では測れなくても、目に見える記録として積み重なると、自分がちゃんと前に進んでいる、という実感につながります。
復帰後、しばらく感覚が戻らず、実感を得られない時期が続いた、という声もありますが、それでも、積み重ねた日々は確かなものでした。
頑張りが見えにくい時期があっても、それは前に進んでいないという意味ではありません。記録が、それを裏づけてくれます。
4. 罪悪感を、紙に書いて外に出す
罪悪感を抱くこと自体は、悪いことではありません。ただ、頭の中だけで巡らせていると、際限なく大きくなっていきます。おすすめは、誰に対して、何を、申し訳なく感じているのかを、具体的に紙に書き出すことです。
たとえば、子どもを保育園に預けることに申し訳なさを感じる、なら、その隣に、でも、自分が働くことで、子どもに見せられるものもある、と、書けるだけでいいので書き添えてみてください。
無理にポジティブに変換する必要はありません。あらゆる方面に申し訳なさを感じ続けた、と振り返る人もいますが、それだけ真剣に、子どもにも仕事にも向き合っているからこそ生まれる気持ちです。
頭の中でぐるぐるしていたものを、紙の上に出すだけで、感情と少し距離を置けるようになります。
5. 話す相手を、あらかじめ1人決めておく
不安や罪悪感は、一人で抱えていると、どんどん大きくなっていきます。効果的なのは、誰かに話そうと漠然と考えるのではなく、話す相手を、あらかじめ1人、具体的に決めておくことです。パートナー、同じように育休から復帰した先輩、信頼できる友人。誰でもかまいません。
決めたら、週に1回など、話すタイミングも決めてしまうと、実行しやすくなります。話す内容は、解決策を求めなくて大丈夫です。
ただ、今こう感じている、と口に出すだけで、気持ちが整理されていきます。一人で判断せず、周囲の力を借りることは、弱さではなく、うまくいっている人ほど自然にやっていることです。
6. 復帰後の1日を、時間を入れて書き出す
起床から、保育園への送迎、勤務時間、迎え、夕食、寝かしつけまでを、紙に、実際の時間を入れて書き出してみてください。
たとえば、6時半起床、7時朝食、8時登園、9時から17時勤務、18時お迎え、19時夕食、20時お風呂、21時就寝、というように、仮でかまわないので、具体的な時刻で埋めてみてください。
書き出すと、どこにゆとりがなさそうか、どこでパートナーの協力が必要になりそうかが、目で見て分かります。頭の中だけで考えるより、紙に書き出したほうが、見通しははるかに立てやすくなるのです。
対処法とあわせて、復帰前後に確認しておきたい、具体的な流れや制度もあります。
復帰前後に確認しておきたい、流れと制度
不安を和らげるもう一つの方法は、あらかじめ流れを知っておくことです。復帰の数ヶ月前、直前、直後の3段階に分けて、確認しておきたいことを整理します。
復帰の数ヶ月前|情報収集と環境づくり
保育園の情報収集と申し込みから始めます。自治体によって、入園のスケジュールや選考基準、認可・認可外の違いが異なるため、早めに確認しておきます。申し込みから内定まで、数ヶ月かかる地域もあるので、逆算して動くことが大切です。
あわせて、慣らし保育のスケジュールも把握しておきましょう。多くの保育園では、入園直後、数日から2週間ほどかけて、預かり時間を少しずつ延ばしていきます。
この期間は、フルタイムで働き始められないことが多いため、復帰日を慣らし保育の分だけ後ろ倒しにする、有給休暇を使う、といった調整を検討しておくと安心です。
会社の制度も確認しておきます。時短勤務は、原則として3歳未満の子どもがいる場合に請求できる、法律で定められた制度です。
ほかにも、子どもの病気やけがの際に使える看護休暇、テレワークやフレックスの可否など、自社の制度を人事や上司に確認しておきます。
そして、パートナーとの分担も、復帰前に話し合っておきます。送迎はどちらが担当するか、体調不良のときはどうするか、家事はどう分けるか。どちらも対応できない日にどうするかまで、具体的に決めておくと、当日になって慌てずにすみます。
復帰の直前|仕事の整理と職場への共有
育休前に引き継いだ業務が、育休中にどう進んだかを確認します。担当者が変わっていることもあるため、事前に情報を共有してもらえると、復帰初日の負担が減ります。
今後の働き方も、職場に前もって伝えておきましょう。時短勤務の時間帯、急な早退や欠勤が起こりうること、対応できる業務の範囲などを、上司や同僚に伝えておきます。
妊娠前から、働き方についてあらかじめ周囲と話しておいたことが、後の安心につながった、という声もあります。早めに共有しておくほど、いざというときにお互い動きやすくなります。
そして、1日のスケジュールを、仮でシミュレーションしておきます。先ほどの対処法でも触れたとおり、見通しを立てておくことが、当日の不安を減らします。
復帰直後によくあること
感覚が戻るまで、時間がかかることがあります。仕事の勘やペースが戻るまで、数週間から数ヶ月かかるのは珍しくありません。焦らず、少しずつ慣らしていくものだと捉えておいてください。
子どもの体調不良で、予定が崩れやすいことも、あらかじめ知っておきましょう。入園直後は、集団生活に体が慣れておらず、発熱や感染症を繰り返しやすい時期です。
仕事の予定に余白を持たせておく、看護休暇や病児保育の預け先を調べておく、といった備えが役立ちます。

なお、育休制度の利用を希望していても、実際には利用できなかった人が37.5%いる、というデータもあります。
希望する働き方が、そのまま叶うとは限りません。だからこそ、早めに確認し、必要なら交渉しておくことが、当日の混乱を減らします。
あらかじめ流れを知っておくと、実際に何かが起きたときも、想定内として受け止めやすくなります。
これから妊娠・出産を考えている人へ
もし、今はまだ育休前で、これから妊娠や出産を考えている段階なら、一つお伝えしたいことがあります。
妊娠や出産の前から、仕事内容や、職場の人間関係を大切にしておくと、復帰後の両立がしやすくなります。
自分に合った仕事で、成果を出せていると感じられていれば、人間関係も自然についてきますし、いざというとき、周囲に頼りやすくなるからです。
そして、不安なことは、一人で抱え込まず、早いうちから、信頼できる人に話しておくことをおすすめします。
妊娠前から、上司に率直に相談し、働き方の見通しを共有してもらえたことで、安心して次の一歩を選べた、という声もあります。早めに話しておくことは、将来の自分を助けることにつながります。
それでも、どうしても難しいと感じたら
ここまでの対処や準備を重ねても、それでもしんどさが続くことはあります。今の環境での両立が難しいと感じるなら、部署異動や働き方の相談、場合によっては転職も、選択肢の一つです。無理に今の場所にとどまり続ける必要はありません。
なお、気分の落ち込みが続く、涙が止まらない、眠れない、といった状態が続くときは、無理をしないでください。産後うつは、決して珍しいことではなく、放っておくと、心身に大きな負担がかかります。
そうした状態が疑われるときは、記事を読んで対処しようとせず、医療機関や、地域の専門相談窓口に相談してください。
一人で抱え込まず、話してみる
ここまで、対処法と、確認しておきたい流れを紹介してきました。それでも、これを一人で抱えながら進めるのは、大変なことです。誰かに話すだけで、頭の中が整理されていくこともあります。
ポジウィルキャリアは、転職を前提とせず、今の会社でどう両立していきたいか、これからどうありたいかを、対話を通じて一緒に整理していくサービスです。一人で判断する前に、まずは話してみませんか。無料の初回体験(45分)から、始められます。
まとめ
育休復帰の不安は、多くの人が経験する自然な反応
不安の中身を分けて、コントロールできることから対処する
復帰前後に確認しておきたい流れ・制度を、事前に押さえておく
完璧でなくていい。頑張りは消えていない。罪悪感を抱くのも、悪いことではない
それでも難しいときは、環境を変える選択肢もある。心身がつらいときは、専門機関へ
一人で抱え込まず、話してみることから
育休復帰の不安は、あなた一人が特別に感じているものではありません。できることから、少しずつ整えていけば、大丈夫です。一人で抱え込まず、頼れるところは頼りながら、自分のペースで進んでいってください。
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