キャリアの神様「タナケン先生」と、ポジウィルでキャリアトレーニングを行う岡によるオンラインセミナーが2023年11月22日に開催されました。 200名超の参加申込があった本イベントのテーマは「転職迷子」。 本イベントでは転職を少しでも考える方々の疑問や悩みに、キャリアの専門家が答えていきます。ぜひご覧ください!
登壇者情報
田中研之輔教授(法政大学キャリアデザイン学部教授)
UC. Berkeley元客員研究員 University of Melbourne元客員研究員 日本学術振興会特別研究員SPD 東京大学 /一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事/明光キャリアアカデミー学長/博士:社会学。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。専門はキャリア論、組織論。社外取締役・社外顧問を35社歴任。個人投資家。著書31冊。プログラム開発・新規事業開発を得意とする。
岡千尋(ポジウィル株式会社執行役員)
関西学院大学を卒業後、株式会社紀陽銀行に就職。個人営業・法人営業を経験するも2年で早期退職。中途採用でリクルートキャリアに入社後、人材紹介に従事。その後、オーダーメイドウェディング「CRAZY WEDDING」のコーディネーターとして勤務。現在はポジウィル株式会社で執行役員を務める。
「転職」とは何か?
田中研之輔教授(以下、タナケン先生): まずは「転職って何なのか?」から考えたほうが良くって。転職というのは、今の状況・環境よりも、自らの意思決定によってより良いところに行こうとする行為だと思うんだよね。 ただ、A社→B社に…っていう箱の移動の話をしちゃうともったいないと思っていて、自分のキャリアの意思決定の中で内在的な意味を持つっていうのがすごく重要。
転職希望者のほとんどが転職できず踏みとどまりながら、「今の状況だとやっぱり苦しい」「自分らしく働けていない」「もっと自分はできるのに」「もっと新しいチャレンジをしたいのに」ってモヤモヤしている。 日本の教育システムってよくできていて、小学校6年、中学3年、高校3年…この6年とか3年くらいでレベルが上がっていくのが、人間のキャリア開発にうまくフィットしているんですよ。必然的に環境を変えて、受験っていうチャレンジをして、それを繰り返して成長していくんですよね。
でも、働くということになると…みなさん何年目ですか? 要は、みなさん自身がキャリア停滞しないようにした方がいいんだよね。 私はもう実は16年目なんですけど、16年同じところにいるっていうのは今までの教育システムでありえない。だから、今はまだ法政にいるけど、常にいろんな動きをするような心がけは必ずしてるんだよね。 何もしないとモヤモヤするのは、ある種、全員にとって当たり前のことであるって理解した方がいいのかな?とは思いますね。
岡千尋(以下、岡): おっしゃるとおりで、アクションすることでモヤモヤが解消されていくと思っています。私からは、モヤモヤと向き合ったり行動するタイミングをお伝えしますね。 まず、モヤモヤしているそのタイミングで向き合った方がいいと思っています。悩んでいることが常態化してくると、そもそも何で悩んでいるのか分からなくなったり、1年も経ってみると言語化もままならなくなってしまう人、結構いるんですよね。なので、なるべく早いタイミングでちゃんと向き合うことをオススメしています。
じゃあ、向き合い方はどうしたらいいのか。タナケン先生の言うように、少しでも自分の可能性を広げるようなアクションをしていくことが大事だと思っています。 加えて、自分の今の状況に対して何が不満なのか?を深掘りしていくこともおすすめです。やってみると分かるんですが、前半に出てくるのは外的な要因だったり形式的な答えでしかなかったりするんです。深掘りを重ねて、本当に自分が引っかかっているポイントを突き詰めて、自分の指針を見つけてもらえると動きやすくなると思いますね。
タナケン先生: 今日のこの時間で、キャリアを「悩む」っていう行為から、キャリアを「考える」っていう行為に切り替えたいですね。 悩むっていう行為は沼なんですよ。悪くはないんだけど、モヤモヤの五里霧中の中に自分を置いて、何もしない行為だよね。 考えるっていう行為は、「なぜそういう思いになるのか?」「なぜ私はこうなんだろう?」と、自分自身の状態やキャリアに対して問いを立てるんだよ。これがすごく大事なこと。
それどうやってやるんですか?って思うでしょ。これがなぜできないかっていうのは、我々の頭の中が基本的に過去思考だからなんですよ。 「なんでこれしかできないんだろう…」「なんで今日やったことはこうだったんだろう…」って、全部こういう過去思考。キャリアを考えるっていうのは、全部未来軸に振り切ることだから。 「これから何をしたいか」「最初のファーストアクションとして何をしたいのか」って考えていくと、沼にいるように見えるかもしれないけど、実は自分で「いつまでに何をする」が決めれるってことに気づくんです。 そういう風に、前向きに考えていきたいですね。
優先順位の付け方
岡: この方がどういう状態なのかとか、どれくらい仕事にボリュームを置きたいのかにもよるとは思うんですが、私自身いま産後なんですけど(笑)、ライフイベントを迎えた後に、転職活動のような新しいことをフルパワーでやるのはかなりタフなアクションだな…って思っていて。 今ライフイベントを迎える前なのであれば、選択肢を広げられるような打ち手を早めに打っておくのはいいんじゃないかと思っています。
タナケン先生: ちーたん(岡)は当事者だからすごく説得力があるんだけど、ひとつ重要なポイントがあって。それは「どこに転職するか」を明確に決めたほうがいいです。 どこに、っていうのは、働き方や福利厚生を含めて、どんな制度が整っている企業かっていうこと。そこをちゃんと見間違えない方がいいと思ってて。 ワークライフバランスをうまくできる転職先はあるのかないのか。あるんだったら、どこが候補なのか。その候補の中で1番フィットするのはどこなのか…っていうのを、パートナーの方と一緒に話しながらデザインしていった方がいいと思うんだよね。
じゃあいつ動くの?ってことで言うと、そもそも出産とかって自分たちの計画的にいかないことの方が多いかなって思ってるんです。私も子供2人育てたからわかるんだけど。そういうことってやっぱりあるから、ビジネスにおける選択も止める必要はないと思う(転職を待たなくていいと思う)。 明確に、今のこの状態をより良いものにできる転職先があるなら、全然(転職)していいと思う。ただし、ビジネスドリブンで「年収だけ上げる!」みたいな意思決定をしちゃうと、”ライフ”の方も揺らいじゃうから、無理をしない意思決定をしていくように選択を見極めたほうがいいんじゃないかな。
人生の転機ってあると思うんだけど、そういう転機の意思決定のときは、親しい人とか、ご家族とか、しっかり壁打ちした方がいいと思いますね。 私自身も結構壁打ちするんだけど、ポジウィルのトレーナーとかもうまく使っていただけるといいんじゃないですかね。 自分だけの経験でうまくいく人もいると思うけど、セカンドオピニオン、サードオピニオン…聞いておいたほうがいいと思うね。
転職の理由に「不純」はあるのか?
タナケン先生: 全然不純だと思わないけどね、いいんじゃない!?私の中では、何か1回はチャレンジしたほうがいいんじゃないかって思うよ。 ただもちろん、親御さんとの関係もあったり、人間はネットワークの中で行きているから、自分だけパンっと行ってみる意思決定はできないかもしれないんだけど。 だから、そこが問題ない形でなら、やっぱり行ってみたらいいと思う。ただ、環境を変えれば出会う人は変わるんだけど、大都市に行ったらいい人に出会えるっていうのは神話だからね。
大都市にいれば人口規模が大きくなるから、色んな人に会う確率は高くなるんですよ。だけど「出会いが本当にない」っていうのは、そもそも福岡の中でもいつも同じ動きをしていたら出会えないと思うんだよね。 サークルに行ってみるとか、ちょっとスポーツやってみるとか、ランニングやってみるとか、ヨガ行ってみるとか…新しい動きを取り入れるのもひとつだよね。
岡: タナケン先生と一緒で、私もいいと思います! なんでいいかっていうと、キャリア選択の一つに、人に言うのもはばかれるような「欲」に忠実であるかということも結構大事な気がしていて。 私自身も、銀行からリクルートに入った時は、人材の仕事がすごいやりたかったかっていうと、「大きくて有名な会社で働きたい」っていう欲も実はあって。その欲を満たせることで見える世界もあるなと思ってるんですよね。だから、不純な動機だとは全く思わなくて。そういう欲で動くのって全然いいと思っています。
あとは「いい男の人に出会うため」でいうと、いい男の人の定義も色々あると思うんですけど、その相手の人から見て魅力的な女性だと思われなきゃいけないわけで。 自分にとっていいなって思う人に、ちゃんと魅力的だと思ってもらえるだけの、キャリア自律だったりはしておいた方がいいんじゃないかなって思います。動機は全然なんでもいいんじゃないですかね!
天職に出会える人は1割
タナケン先生: もう絶対これは自分にとって天職!って思える仕事に出会っている人は、おそらく1割だね。私も含めて9割の人は、それが自分にとっての天職かってわからないと思う。 わからないけどひとつ言えるのは、目の前のお仕事に対して、自分で自分らしさを作り上げていくプロセスがすごく重要で。どんな仕事であれ、少なくとも自分で選んだ仕事なんだよね。選んだんだから合わせてみるっていうことが働くってことで。
でも、主体的に合わせようと頑張ってみても、どうしたって合わないと。そしたら必ず転職だよね。 たとえば私は、経理みたいなバックオフィス系の仕事はどう考えても苦手。こういうのは向き不向きだから、そこの意思決定は早い。悩まないんだよね。「合わないじゃん!」みたいな(笑) もっとわかりやすく言うと、「あっという間に時間が過ぎていく」「楽しい」「没頭する」って、仕事に対して思えたら、その仕事は限りなくみなさんに合ってると思うんだよね。そこを見いだせるといいよね。
ずっと退屈だったり、月曜日の朝がきついっていうのは、健康的にもメンタル的にも良くないから。我慢して働いて80年はきついよ。 だから我慢する必要ない。我慢して働くくらいだったら、自分でいち早く環境を作り替えたほうがいいと思う。何度だってチャレンジできる時代がきたからね。
岡: 私も、向いていることをやるに尽きるかなって思っていて。 私自身もそうだったんですけど、最初からメラメラ燃えてやりたい!と思えるような仕事に出会えるかというよりも、向いていることをやっていくうちに好きになるパターンが結構多いと思っていて。 向いているから、うまくやれるから、好きになる。
社会人になるまでは、課題を克服したり、全部ができるようになんなきゃいけないとか、我慢することが美徳であるみたいな考え方がすごく多いと思うんです。でもこれはキャリアにおいてはあんまり当てはまらないことが多いなと思っていて。 私も一社目の銀行の仕事がぜんっぜん合わなくて(笑) 細かさ、正確さが求められる仕事って自分はできないんだなって受け入れる。そこから、「じゃあ逆に自分が向いていそうなことって何かな?」「向いていることを伸ばせる仕事って何があるかな?」って前向きに考えたことが、キャリアチェンジにおいてめちゃくちゃ大きかったです。 最初から天職ややりたいことを見つけにいこうとするよりも、そもそも自分が向いていることってなんだっけ、できそうなことってなんだっけ、という観点で見に行った方がいいんじゃないでしょうか。
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