
人事の仕事は“人と組織の橋渡し”に尽きる、とよく言われます。社員一人ひとりの個性や価値観を理解し、会社の求める方向性とどう噛み合わせていくのか――そんな悩みを抱えたまま、日々の1on1やキャリア面談に苦戦している方も多いのではないでしょうか。
実際に「気づきを与えられず、ただ話を聞いて終わりの面談になってしまう」「面談の型やスキルがなくて属人的になりがち」という声は、人事界隈でよく耳にします。しかし、「傾聴にとどまる面談」 では、実はもったいない。
このnoteでは、ポジウィルが開催したウェビナーの内容をもとに、「人事こそコーチングを学ぶメリット」と具体的なポイントをご紹介します。コーチング理論・スキルを押さえ、人事の面談がどのように変化するのか――そのヒントが詰まっています。
■そもそも、なぜ人事面談がうまくいかないのか?
1. 面談が属人化し、目的がブレる
「面談の目的は何か」 が担当者間で共有できていない
聞く項目がバラバラで、評価者や面談者ごとに進め方が全く違う
結果、社員から見れば「どの人事担当に当たるかで話しやすさや話の深さが違う…」と感じられやすい
「なんとなく会社方針を伝える場」「聞きたい項目だけパラパラ聞く場」で終わりがちで、組織としての共通言語や目指すゴールが明確でない状態が続くわけです。
2. クオリティチェックが難しく、アドバイスもブレる
面談担当者のやり方を客観的に評価する仕組みがない
「こういう質問が良い/悪い」「ここでの指示やアドバイスはどうあるべき?」といった型がない
いわゆる“先輩社員のやり方を真似る”程度では、担当者のレベルアップにも限界があります。アドバイスやフィードバックも個人任せとなり、いつの間にか「押し付け型の面談」になってしまうことも。
3. 面談で新たな気づきを与えられない
傾聴だけを意識しすぎて、相談者が「話してスッキリ」で終わる
最終的に本人のキャリアが前進した実感がなく、「面談は形だけ」と思われがち
「聞き上手」な人事の方は多い反面、「では、そこで得た情報をどう整理し、相手に何をもたらすのか」 の一歩が踏み出せずにいることが多いのです。
■解決の鍵は「3つのスキル」を使い分けること
ポジウィルでは、人事面談を成功させるには以下の3つのスキルが必要だと考えています。
カウンセリング(傾聴・共感)
相手の話を遮らずにじっくり聞き、安心・信頼の空気をつくる
「この人になら本音を話せる」と思ってもらうことが、面談の土台
コーチング(質問で内面を引き出す)
相手が抱えているモヤモヤや本音を引き出す
「なぜそう考えたのか?」「どこに本当の課題があるのか?」を問いかけ、本人に考えさせる
コンサルティング(ティーチング・フィードバック)
相手が知らない情報を提供したり、課題をズバリ指摘したりして前向きに背中を押す
「自分のやり方・考え方」だけを押し付けるのでなく、フィードバック後の相手のリアクションを必ず確認するのが大切
この3つをバランス良く使うからこそ、「相手の話を真摯に受け止め、本人に考えさせつつ、必要な知識や視点をアドバイスする」という理想の面談が実現できるのです。
■明日から活かせる面談テクニック:強みの深掘り
ウェビナーでは、「相談者(社員)の強みやモチベーションをどう引き出すか」をテーマにしたロールプレイが公開されました。 ここでは、そのエッセンスを簡単にまとめます。
●なぜ「強みの深掘り」なのか?
過去の成功体験や“夢中になったこと” を聞くことで、その人のモチベーションの源泉や大事にしたい価値観を具体的に掴む
「同じ業務でも、●●さんにはこういうやりがいのツボがある」とわかると、部署異動やプロジェクトアサインの精度も上がる
気づいていない持ち味をフィードバックすることで、社員自身が「自分って意外とこんな面もあったんだ」と自信を得る
具体的な流れ(例)
「一番夢中になれたこと」 を尋ねる
状況の詳細(何があったのか?いつ?どんな成果?)を確認しながら、ポジティブな部分を引き出す
なぜそんなに頑張れたのか? 原動力や喜びを感じた瞬間を聞く
「あなたの話を聞いていて、●●が強みや大事にしたい部分なのでは?」とフィードバック
ただし「私がこう感じたけど、どう思いますか?」と相手の意見を必ず確認する
ポイントは、質問を通して本人に思考してもらう → 面談者が見出した強み・価値観をフィードバック → さらに本人の納得感を確かめる、という流れを意識することです。
■“相手の自走”を目指すために:人事がコーチングを学ぶメリット
1. 会社の都合だけではなく、社員本位のキャリアプランに寄り添える
コーチングスキルを使うと、社員自身が「自分はどう生きたいのか」というWill(意志)を整理する過程をサポートしやすくなります。
「やりたいことが漠然としている社員」 ほど、コーチング的な質問を重ねることで少しずつ本人の本音が明確に。その結果、会社の評価基準だけに押し流されないキャリア支援ができるわけです。
2. 「聞き上手」+「背中を押すフィードバック」で本質的な行動変容を促せる
傾聴と質問だけでは、社員は話してスッキリで終わりがち。コーチングは「ゴールを見据えた行動提案やフィードバック」も含めた総合的なスキルセット。
例えば「あなただからこそできる仕事の形、こんなパターンはどう?」と具体例を提案する
自分の経験を押し付けにならないよう「私から見たらこう思うけど、あなたはどう?」と問いかけを忘れない
こうしたコンサルティング的アプローチを組み合わせることで「自分に合ったキャリア」を本人が選択する手助けをしやすくなります。
3. 面談だけでなく、普段の雑談や1on1にも応用可能
ウェビナーで語られたポイントとして、「面談以外のコミュニケーション」でもコーチング的要素を使うことで、社員のモチベーションや状態を早期にキャッチアップできるとありました。
ちょっとした声掛けや雑談でも、質問によって相手に考えさせる
ネガティブな反応があればカウンセリング要素で寄り添い、必要なら心理学的な視点を入れてケアする
コーチングはあらゆる場面で使える“人との関わり方の技術”なのです。
■ポジウィルコーチングスクールで学べること
ウェビナーの中では、「現場で本当に使えるようになるために、体系的な知識と反復練習が不可欠」という話がありました。
ポジウィルコーチングスクールでは、人事・管理職などが短期間で対人支援のコアスキルを身につけ、卒業後も学び続けるコミュニティが用意されています。
カウンセリング・コーチング・コンサルティング 3つのスキルをバランス良く学ぶ
臨床心理士による心理学講義で、部下や社員のメンタル不調にどう初動対応するかも学習
ロールプレイ→フィードバック→振り返りを繰り返すため、ただ座学を受けるだけでは終わらない
講義修了後もコミュニティで練習・情報交換ができ、学びを継続して実務で活かせる
「学び方がわからない」「資格や理論を取っても、現場でどう使うの?」と感じていた方には、非常に具体的な実践プログラムが整っています。
■まとめ:人事面談の質を高め、社員を“自走”に導く
人事の仕事は会社が指定する働き方を押し付けるのではなく、社員一人ひとりの強みや価値観を見極め、「あなたにしかできない貢献の形」を一緒に探すこと。
しかし、それを実現するには、どうしても「面談スキル」 「質問力」 「フィードバック力」が要ります。コーチングを学ぶと、これらが体系的かつ実践的に身につき、今まで「聞いてスッキリ」止まりだった面談が「社員に変化を起こす場」へとアップデートされるのです。
属人化していた面談が、統一感ある“型”で進められるように
聞くだけでなく、社員のWillと会社のWillを繋ぐ具体的な提案・支援ができる
「仕事とは?」の根本を社員と掘り下げ、本質的な成長を見届けられる
もし 「現状のキャリア面談に限界を感じる」 「社員の自己理解を深めたい」 「何より自分自身がスキルアップしたい」と思ったら、ぜひコーチングスクールの無料体験や個別相談を検討してみてください。 ポジウィルが培ってきた実践ノウハウを、あなた自身が身につけられれば、きっと“人事としての面談”の見え方が劇的に変わるはずです。
「社員の可能性を一歩先まで開き、自走を促す」 そんな理想の姿勢を手に入れるために、コーチングを学んでみませんか?
もし一歩踏み出してみようという方は、無料体験会や個別相談を通じて、今の悩みや事例を具体的に壁打ちしてみてください。あなたの面談が、明日からさらに進化する可能性は十分にあります。
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ポジウィル
コーチングスクールPOSIWILL COACHING SCHOOL
「ポジウィルコーチングスクール」は、35,000人以上のポジウィルキャリアの支援実績をもとに開発されたオリジナルプログラムを通じて、自分自身でキャリアを考え、行動し続ける力を育てます。一度学べば、どんな仕事に就いても、どんな人生の転機が訪れても、自分らしくキャリアを築いていくことができる、一生役立つスキルが身につきます。
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